この週末で久々に読書を進めようかと思ったが、なかなか思うようにいかない。狩久とディクスン・カーを同時進行しているのだが、どちらも停滞気味、いや気味どころではなくストップしてる。もう疲れが慢性的にたまりすぎているというか、単なる年のせいというか、体力低下が甚だしい。でもせめて今日中には、どちらか一冊は読み終えたい。
本を読めなくても、買いたい本はたまる一方。先週には待ちに待った論創ミステリ叢書の『大倉燁子探偵小説選』を購入。興味本位で申し訳ないが、ほんと、このあまりにマニアックな一冊が、果たして初版何部なのか心の底から知りたい(笑)。
買った本がもう一冊。創元推理文庫でジョン・J・ラムの『嘆きのテディベア事件』。こちらはコージーっぽいので本来はあまり手が伸びる本ではないのだが、ネタがテディベアということでゲット。ネット上ではあまり触れないけれど、嫁さんがこちら方面のマニアで、いつのまにか管理人も毒されてしまった関係から購入。
買ってはいないが、ただいま検討中っていうか、要は今週の購入予定。マイケル・コックス『夜の真義を』(文藝春秋)、デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』(ハヤカワミステリ)、ジェラルディン ブルックス『古書の来歴』(武田ランダムハウスジャパン)あたりは間違いなさそう。後者二冊はそれなりに評判を聞いていたけれど、『夜の真義を』は個人的にはノーマーク。壮大な復讐譚ということでやけに気になっております。
Twitterで書いたら、ちょっと反応が多かったのが今月号のミステリマガジンのネタ。要はミスマガでコナン特集やるってどうよ、みたいな内容だったのだが、関係者には不愉快なテーマだったかもしれない。
でも、そもそもミステリマガジンは翻訳ミステリファンに向けた雑誌だから、そこから軌道を外れすぎるのは普通に考えておかしいわな。読者は翻訳ミステリが読みたいから、翻訳ミステリの情報がほしいからミステリマガジンを買うんではないの? 違うの? 少なくとも管理人はそのためにもう何十年にもわたってこの雑誌を買っている。そりゃたまにはミステリ漫画やミステリアニメの情報を載せたり、そういう特集を組むのは全然ありだと思う。そこをいきなりコナン単独特集というのは、読者の開拓というテーマがあるにせよ何かずれている気がする。
Twitterでも書いたが、間口を広くして読者を開拓するのは絶対に必要なことである。そういう関係者の苦労はわかるし、いろいろ考えた結果なんだろうなとは思う。だが、同時に元からいるファンをがっちり掴む工夫もしてほしい。日本で唯一の翻訳ミステリを紹介する雑誌が、クレイグ・トーマスやキーティングの訃報をあれっぽっちですましちゃダメだろう(特集を予定しているのだったら失礼)。あんなに翻訳を出してきたのは何だったのか。
また文句ばかりになってしまったけれど、まあ、これぐらいは読者からの要望のひとつだと思って受け止めてほしいところではある。
管理人も同じ業界にいるけれども、管理人の属するジャンルでの読者の意見の厳しさは翻訳ミステリの比ではない。
翻訳ミステリの読者は総じて大人な感じがするし(実際、年齢も高いだろう)、まだまだ優しい。嫌だったら黙って去っていくイメージで、基本的にレスポンスが少ない。だから関係者が気づかないうちに、読者が減ってしまう危険性は逆に高いわけだ。
結局、今回のコナン特集は、読者のニーズはどうなんだということであり、つきつめればマーケティングと営業戦略が適切だったのかということでもある。ただ、それだけで終わらせられるようなものではないところに、翻訳ミステリというビジネスの難しさがあるのかもしれない。