先日届いたばかりのDVD『SHERLOCK(シャーロック)』からVOL.1「ピンク色の研究」を視聴。
なんせ昨年NHK-BSの放送時では、きっちりVOL.1とVOL.2を見逃しているので、今回のDVD発売が決まったときから楽しみにしていた作品。基本、テレビドラマはごく一部を除いてミステリ系すらほとんど観ないのだが、こればかりは別格である。VOL.3「大いなるゲーム」で初めてこのシリーズに触れたときには、推理という行為をここまでスタイリッシュにヴィジュアル化したことに感動すらすら覚えたほどで、アッという間にファンになってしまった。

で、VOL.1「ピンク色の研究」。タイトルは言うまでもなく原典『緋色の研究』のもじりだが、話はまったく別物。ロンドンで起こる不可解な連続自殺事件をめぐり、ホームズが活躍する。レストレード警部は助力を求めるものの、周囲はホームズの変人ぶりに引き気味。
一方、アフガン帰りの医師、ジョン・ワトソンは、家賃節約のために知人からルームシェアの相手を紹介されるが……。
他者による連続自殺事件ということがそもそも可能なのか、ミステリドラマとしての胆はそこに絞られる。まあ、蓋を開けてみれば驚くほどのネタではないけれど、やはり演出が上手く、テンポもいいので、一気に引き込まれる。上でも少し書いたが、本来ならセリフでダラダラ説明するしかない「推理するという行為」を、さまざまな工夫でここまで魅力的に見せてくれるところが最大の見どころといえる。
また、第一作ということで、ホームズとワトソンの出会いがあり、さらにはハドソン夫人やレストレード警部、マイクロフトがひととおり顔を揃えているところも楽しい趣向だし、ラストではある有名人の名もしっかり登場し、シリーズ全体の流れも示唆してくれる。加えて、ここかしこにマニア向けのネタを忍ばせているのも楽しい。
昔からのホームズファン、初めて本作でホームズに触れるファン、どちらも楽しめる良質のミステリドラマ。お進めです。