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探偵小説三昧

天気がいいから今日は探偵小説でも読もうーーある中年編集者が日々探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすページ。

 

『SHERLOCK(シャーロック) VOL.2/死を呼ぶ暗号』

 本日よりNHK-BSで『SHERLOCK(シャーロック)』の第2シーズンが始まるので、その前に未見の『SHERLOCK(シャーロック) VOL.2/死を呼ぶ暗号』をDVDで視聴する。

 銀行の6階フロアにある一室に何ものかが侵入し、壁に黄色いペンキでメッセージと見られる落書きを残していった。調査を始めたホームズとワトソンはまもなく事件に関係したと見られる行員の死体を発見するが、さらに、あるジャーナリストが同様のメッセージを見た後に殺される事件が発生。共通点は密室状態での殺害、そして黄色の文字のメッセージだった……。

 SHERLOCK(シャーロック) VOL.2/死を呼ぶ暗号

 二作目も十分に堪能。連続殺人を結びつける暗号の謎で前半をひっぱり、後半は真相を探るホームズとワトソンの前に立ちふさがる中国系の秘密結社という寸法だ。
 ホームズ譚で暗号といえば「踊る人形」が有名だが、あとは「グロリア・スコット号事件」あたりか。秘密結社の方だと「オレンジの種五つ」や「恐怖の谷」あたりが元ネタだろうか。
 ただ本作に限っては、謎解きよりもアクションやサスペンスがメインのような印象。暗号も正直いまひとつで、これならそのものズバリで「踊る人形」を出してくれた方がよかった。ラストもワトソンの方が目立っていたような。

 ワトソンといえば、本作ではワトソンの恋愛も見ものである。いや、正確にいうとワトソンの恋愛によって浮かび上がるホームズとワトソンの関係といった方がよいだろう(笑)。二人の関係の微妙さをちくちく炙り出しているようなところも窺えて、いやはやスタッフもいろいろ考えるわ(笑)。

 とりあえず「VOL.3「大いなるゲーム」は先に観ているので、これでシーズン2への準備は万端。さあ、今晩はスコッチでも横に置いてゆっくりと楽しまねば。あ、でもホームズってウィスキーはあまり飲まないんだっけ?


プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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