映画秘宝別冊のMOOKから『映画秘宝EX映画の必修科目05 突撃! モンスター映画100』が出ていたので、怪獣映画好き特撮映画好きとしてはやはり黙って見過ごすわけにはいかない。さっそく一冊ゲットして、ぱらぱらと眺めてみる。

中身はタイトルどおり古今東西のモンスター映画100本を紹介したガイドブック。新しいものから古いもの、話題作からマニア向けなど、まんべんなく網羅しているといった印象である。
とはいえ紹介記事そのものは相変わらずのマニアっぷり爆発で、楽しいネタが満載である。まあ良くも悪くもライターの腕ひとつで記事の面白さはだいぶ変わるのだが、それもまたよし。
ただし、ある記事では褒めている映画が、別の記事ではくさしていたりと、評価がまちまちなのは困る。一人で書いている本ではないからそういうこともあろうが、一応はガイドブック的な本なのだし、これを参考に映画を観てみようという人がいるからには、やはり足並みはある程度揃えるのが正しいスタンスだろう。
また、本書の構成として、各映画を紹介するメインの記事の最後に、類似映画を紹介するミニコラムがある。一本でもより多くの映画を紹介したいという姿勢は好ましいけれど、メイン記事とミニコラムで扱う映画がかぶっていたりするのはいかがなものか。
先に挙げた欠点と合わせて考えるに、これは編集とライターがうまく摺り合わせできていないということになるのだろう。次作以降、考慮してもらいたい部分ではある。
あとは以前にも書いたことだが、このシリーズ、誌面デザインをほとんど気にしていない(ように思われる)のが非常にもったいない。文字の大きさのバランスやレイアウトがとにかく情報を詰め込めばいいでしょ的な印象で、古くさいうえに読みにくい。表紙絵などを見るに、レトロな雰囲気を出すという方向性はわかるが、本文はそれとは違うものなぁ。
本として持つ楽しみをもう少し。それが一番の希望か。