自宅で仕事の資料整理をしつつ、合間にぼちぼちと本やDVDを消化する三連休。本日は『新・刑事コロンボ/殺意のキャンバス』を観る。シリーズ通算五十作目、監督はジェームズ・フローリー。
世界的な天才画家マックス・バーシーニ。彼は元妻ルイーズと現在の妻ヴァネッサ、そしてモデル兼愛人ジュリーとの共同生活を送り、その奔放な暮らしを創作活動の糧としていた。ところがある朝、ルイーズがかつて受診していた精神科医と結婚するため、家を出て行くとマックスに告げる。
実は二人がまだ夫婦だった頃、ルイーズはマックスの犯したある行為を目撃していた。マックスはその秘密が漏れることを怖れ、ルイーズの殺害を決意する。マックスはかつて二人が暮らしていた酒場を訪れ、そこで一日中、絵を描いていたというアリバイを作って犯行に臨むが……。

これはいかん。シリーズの中でもワーストに近い出来。
犯人側のドラマを掘り下げるのはいいとしても、ここまで特殊な設定にする必然性がないとか、冒頭のバセットハウンド大会がまったく付け足しだとか、そういう味つけの部分もいまひとつなのだが、やはり問題はミステリ部分。
とにかく犯行が杜撰すぎるのである。アリバイ工作のお粗末さ、凶器のセレクトの適当さ、死体に残されたある証拠などなど。完璧を望むつもりはないが、本作の突っ込みどころはいかんせん多すぎる。
もっとも気になったのは夢判断を捜査に活用するというところ。夢の部分をモノクロで見せるという演出自体は雰囲気が出ていて悪くない。ただ、夢から過去の事件を読み解くというのは、サイコスリラーとかならまだしも、謎解き推理ものとしてはいかがなものか。というか根本的に間違っているよなぁ。
しかし、あらためて見ても、やはり新シリーズは低調だなぁ。