すっかり夏風邪をこじらせてヘロヘロである。それでもなんとか家のトイレや庭掃除などを済ませ、気力で参院選の投票へ向かう。本来は期待したい政党がだらしないこともあって、ネットや新聞で最終確認をしつつもけっこう迷う。
ただ、投票所ががらがらで軽くショックを受ける。おそらく投票率はかなり下がるはずで、これじゃ某政党の圧勝だろうな。
その後は久々に中野ブロードウェイへ出かけ、大友克洋『SHORT PEACE』展を見る。展示物が意外に少なかったが、それなりに満足。昼飯を食って帰宅後は風邪が悪化して完全にグロッキー。
昨日ケーブルテレビのVODで観た『ヘンゼル&グレーテル』の感想など。
監督はノルウェー出身のトミー・ウィルコラ。本国アメリカでは今年のあたまに公開されたばかりの映画だが、なぜか日本では土壇場になって公開中止となり、DVDやケーブルで初のお目見えとなった。
ちなみに映画公開中止の理由は不明。海外ではけっこう好調なようで既に続編も決まったらしいし、キャストや内容も悪くないのになぜ?
さて中身の方だが、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」を元にした後日談という設定である。お菓子の家で魔女に囚われた兄妹ヘンゼルトグレーテルは、命からがら魔女を倒して脱出。しかし家へ帰る道もわからない二人は、魔女討伐の経験を活かし、今では有名な魔女ハンターとして生計を立てている、といったお話。
もちろん子ども向けではなく、最近のハリウッド映画ですっかりブームとなっている童話をネタにした特撮アクションファンタジーである。最近の作品でいうと『アリス・イン・ワンダーランド』や『赤ずきん』、『ジャックと天空の巨人』あたりを連想していただけるとわかりやすい。
まあ、馬鹿映画といえば馬鹿映画だが、これが小粒ながらけっこうよく出来ていて楽しめる。
何といってもキャストがよい。ヘンゼルには今をときめくジェレミー・レナー。『ハートロッカー』でブレイクし、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』、『アベンジャーズ』『ボーン・レガシー』といった話題作で存在感を見せつけた。グレーテルには英国の女優さん、ジェマ・アータートン。『タイタンの戦い』のイオ、『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』でのタミーナ王女といえばわかる人も多いか。
この主役の二人がなぜか現代風のダークジャケットに身を包み、これまたいつの時代だよと思うような武器を片手に、凶悪な魔女をバッタバッタとなぎ倒す。この二人のアクションが見ものであり、すべて。もちろんCGも多いがリアルアクションも激しく、とりわけジェマ・アータートンはこの路線を進んでいけばミラ・ジョヴォヴィッチを越えるのではないか。
主役が光るには、それに対抗する悪役の存在もまた重要である。この大物魔女に扮するのがオランダ出身のファムケ・ヤンセン。そう、『X-メン』の、ジーン・グレイだ。この人も大物感を醸し出していて存在感が素晴らしい。
正直、この手の映画によくこれだけの面子が出演してくれたと思うのだが(笑)、できれば続編はこのキャストのままで制作してほしいものである。そして、配給元にはぜひとも劇場公開の検討をよろしく。