先日の日記で、「論創社の少年小説コレクションの今後の予定はどうなっておるのだ?」みたいなことを書いたのだが、ありがたいことにいくつか情報がいただけた。あまり詳しい話は書けないのだが、とりあえず期待しておいて損はないようでひと安心。むしろセールスがよければ怒濤の大展開もあるのやらないのやら。
ううむ、これはぜひとも頑張っていただきたいものである。この好企画を長続きさせるためにも、よい子のみんなは図書館などで済まさず、山風や仁木悦子の本もちゃんと買って読むように。
話は変わって、この週末に観たDVDの感想など。ものはヴィンセント・マケヴィティ監督による『新・刑事コロンボ/大当たりの死』。シリーズ通算五十九作目にあたる。
ピーター・フォークが製作総指揮を務めた作品でもあるのだが、やはりいろいろなところで齟齬は目につく。ピーター・フォークがのめりこんでいるのはわかるが、やはり主演との二足のわらじは難しいところなのだろう。
こんな話。離婚手続き中に三千万ドルの宝くじに当たった売れないカメラマン・フレディ。離婚成立前に当選金を受け取ると、半分を妻に持っていかれてしまうため、宝石商を営む伯父ラマーに相談を持ちかける。
するとラマーは自分が当選したことにして、あとで金を渡すことにすればいいと提案。ところが、実はラマーは破産寸前の身。これ幸いとばかりフレディの妻(実はラマーの愛人だったのだ)にアリバイを偽装してもらい、フレディを入浴中の事故に見せかけて殺害する……。

新シリーズのなかでは比較的まともな方ではある。だが上で触れたように、それでもいろいろと気になる点が目立つ。アリバイ偽装をコロンボが調べない点、設定上どうしても浮いた感のあるお猿さんの存在、ラストの共犯者同士をぶつける点などもコロンボのやり方とはいえない。
素人目にももう少し納得のいくストーリーは作れたと思うのだが、ラストがまずまず鮮やかに決まっているだけに、これらの点が非常にもったいなく感じてしまった。旧シリーズの細やかさで作っていればねぇ。ああもったいない。