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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 11 2013

ジョン・コリア『予期せぬ結末1 ミッドナイト・ブルー』(扶桑社ミステリー)

 ジョン・コリアの『予期せぬ結末1 ミッドナイト・ブルー』を読む。扶桑社から新たにスタートした平成の異色作家短篇集的なシリーズ「予期せぬ結末」。その記念すべき一巻目を託されたのがジョン・コリアである。まずは収録作。

The Chaser「またのお越しを」
Midnight Blue「ミッドナイト・ブルー」
Dog's Dog「黒い犬」
Insincerity「不信」
Think No Evil「よからぬ閃き」
Great Possibilities「大いなる可能性」
Not Far Away, Not Long Ago「つい先ほど、すぐそばで」
A Matter of Taste「完全犯罪」
Gables Mystery「ボタンの謎」
Mary「メアリー」
Sleeping Beauty「眠れる美女」
A Word to The Wise「多言無用」
The Frog Prince「蛙のプリンス」
Squirrels Have Bright Eyes「木鼠の目は輝く」
Hell Hath No Fury「恋人たちの夜」
Night, Youth, Paris and The Moon「夜、青春、パリそして月」

 予期せぬ結末1ミッドナイト・ブルー

 帯の謳い文句で「燦めくアイディア。巧妙なプロット。そして予期せぬ結末」とあるとおり、基本的には好短編集。まあ、ジョン・コリアの作品だからつまらないわけがない。誰が読んでも楽しめる一冊ではある。
 これは巧いなと思ったのが、事実を書いてしまうのではなく読者にラストを委ねるままにしておくテクニック。よくある手ではあるが、コリアの場合、思い切りがいいというか。例えば冒頭の「またのお越しを」は、よく作家としてあそこで書くのを止められるなと、変なところで感心してしまった。
 
 ただ、いわゆる異色作家のなかでもジョン・コリアはもう少しブラックなイメージがあったのだが、本書においてはけっこう軽めというか、全体にさっぱりした印象である。
 また、「予期せぬ結末」というシリーズながら、意外に予想できる話が多く(これはこちらがミステリ的にすれたせいもあるんだろうけど)、シリーズのトップバッターとしては気持ち弱い感じなのが気になった。
 とはいえ、これでも普通の作家に比べれば十分ひねているので念のため。バランスを考えると異色作家の入門編としておすすめしたい。


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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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