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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 11 2014

M・R・ラインハート『レティシア・カーベリーの事件簿』(論創海外ミステリ)

 M・R・ラインハートの『レティシア・カーベリーの事件簿』を読む。
 ラインハートといえば言うまでもなくHIBK派の元祖なので、どうしてもサスペンスやロマンスに基調を置いた長篇ばかりを書いていたイメージが強いのだが、実はシリーズものの短篇もけっこう残している。
 レティシア・カーベリーを主人公とするシリーズもそのひとつ。本書の刊行が1911年だからホームズと時代がかぶるとはいえ、もちろん"ホームズのライバル"なんてことはない。かといってお得意のHIBKタイプでもなく、あくまでキャラクターのやりとりの面白さだけで読ませる話が多いようだ。
 収録作は以下のとおり。

The Amazing Adventures of Letitia Carberry「シャンデリアに吊された遺体」
Three Pirates of Penzance「ペンザンス湖の三人の海賊」
That Awful Night「恐怖の一夜」

 レティシア・カーベリーの事件簿

 正直いって内容的にはかなりきつい。
 「シャンデリアに吊された遺体」は中篇で、本書中では一番ミステリらしい作品。霊安室に安置されていたはずの降霊術師の老人男性の遺体が、なぜか別の病室で首を吊った状態で発見されるという物語である。
 出だしは期待させるけれども、描写が悪いのか構成が悪いのか(おそらくその両方)、全然状況が把握できない。久々に読むのが苦痛だったが、我慢して待った真相はひどいものである。なお、ポーのモルグ街のネタに言及したりもしているので未読の人は要注意。

 「ペンザンス湖の三人の海賊」と「恐怖の一夜」の両短篇は、もはやミステリという感じでもなく、完全にレディたちのドタバタを楽しむことが目的の話。当時のこういう需要は理解できないこともないが、個人的にはほとんど引っかかるところがない。こういうタイプばかりなら、さすがにこのシリーズはもういいわ。


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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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