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探偵小説三昧

天気がいいから今日は探偵小説でも読もうーーある中年編集者が日々探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすページ。

 

ギャレス・エドワーズ『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

 それほど期待はしていなかったのだけれど、けっこう評判がよろしいようで、本日は立川シネマシティへ『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を観にいく。
 監督はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』も撮ったギャレス・エドワーズ。キャストは正直、それほどのメジャーどころは出ていないのだけれど、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に連なる物語だけに、4のキャラクターがここかしこに顔を出しているのがファンには嬉しいところだろう。

 さて、本作はスピンオフ作品とか外伝とかいわれているが、ストーリーとしては密接に本シリーズにつながっており、ナンバリングでいえば3.9というところ。
 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』では、帝国軍の宇宙要塞デス・スターの設計図を盗み出した反乱同盟軍が、レイア姫にその設計図を託したものの、レイア姫が帝国軍のダースベイダーに捕獲され……というところから幕を開ける。本作ではそのデス・スターの設計図をいったいどうやって盗み出せたのかという物語だ。

 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

 結論からいうと、なかなか楽しめた。
 本作は従来のシリーズとはやや作風を異にしているというか、スペースオペラというより普通の戦争映画、あるいはスター・ウォーズ版『七人の侍』とでもいった雰囲気を醸し出していて、そこがうまくツボにはまった感じだ。
 その大きなポイントになっているのがストーリーライン。本シリーズの設定に主人公ジン・アーソのドラマを絡めるところまでは予想の範囲内なのだが、意外にもそのドラマを中盤で早々に片付け、以降をシンプルにチームの戦いのドラマとしたところが好感度大。終盤はそれぞれの見せ場を作りつつ、一人また一人と倒れる中、最後に目的を達成するというのはあまりにベタなのだけれど非常に胸を打つものがある。考えてみると大物俳優を起用しなかったのも、このストーリーを活かすためかなとも思った次第。

 スピンオフをあまりやられてもしらけるが、本作に関してはOK。個人的にはエピソード1〜3、7よりも楽しめて満足の二時間だった。


プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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