ニュースではゴールデンウィークが後半に入ったとか何とか話しているが、いや、普通に働いていたらゴールデンウィークは今日からだろうに。プレミアムフライデーもそうだが、役所や大企業の思惑や都合だけで勝手に常識を決めるのは止めてもらえんかな、ほんとに。
というわけで、ゴールデンウィーク“初日”である。一応家族がいるので普段でも休日に一人でふらふらすることはないのだが、本日は別である。なんせ、中野、西荻窪、八王子でそれぞれミステリがらみの用事ができてしまったのだ。まあ、嫁さんもミステリマニアなら同行させるころだが、さすがにそんなはずもなく、本日は一人で出撃。
まずは中野。目指すは中野サンプラザで開催されるまんだらけ主催の「大まん祭」である。
かつて雑誌『少年』に掲載された乱歩の少年探偵団ものの外伝的作品があるのだが、それをまとめた『江戸川乱歩からの挑戦状1 SF・ホラー編 「吸血鬼の島」』が先行発売されるのである。一般発売は今月中旬なのだが、ここで買えばまんだらけ購入特典の小冊子やトークイベント用のパンフもつくというので、これは行くしかあるまい。しかし、まんだらけからまさか乱歩の本が出るとは夢にも思わなかったなぁ。もう油断も隙もないな。

ちなみに相当の混雑を予想して、一時間ぐらいは行列も覚悟していたのだが、意外にすんなり入れて少々拍子抜けであった。
本日は編者の森英俊氏と野村宏平氏によるトークイベントもあったのだが、あまり時間もないので後ろ髪を引かれつつ今度は西荻窪へ向かう。
西荻窪での目的地はミステリ専門古書店、盛林堂さん。予約してあった盛林堂ミステリアス文庫の新刊『魔子鬼一作品集成 屍島のイブ』の受け取りである。規模こそ違えど論創ミステリ叢書やミステリ珍本全集に負けないラインナップは、むしろ私家版ならではか。魔子鬼一の本が新刊で読めるなんてどんな時代だよ。しかもこれが第1巻というのだから(苦笑)。
こちらでは店主に『江戸川乱歩からの挑戦状1 SF・ホラー編 「吸血鬼の島」』の話をうかがったり、“屍島のイブ”の読み方は“しとうのイブ”or““しかばねとうのイブ”、どっちなのかなどと確認するなど。
ついでに多岐川恭がバーゲン的に表の百円台にいくつかあったので未所持を拾う。やれ嬉しや。

ここで次の目的地に向かうところだが、腹も減ってきたので昼食タイム。駅から少し北へ歩いたところにある、かの料理評論家・山本益博が愛してやまないカツ丼を出してくれる坂本屋。相変わらず行列ができているが、今日ばかりは待ち時間もそれほど気にならず。
腹も満たされたところで本日最後の目的地は八王子。こちらも本日より開催されている八王子古本まつりに参戦である。ただ、けっこうなスケールの割にはそれほど出物はなく、これまで縁のなかったアルレーを一冊拾うにとどまる。まあ、久々にゆっくり古本まつりを見物できていいストレス解消にはなったからよしとしよう。
最後はパブ「シャーロック・ホームズ」に寄って、ケルキニーで一人乾杯。とにかく一日中、探偵小説のことばかり考える日なんてそうそうないだけに、久々にいい気分で帰宅したのでありました。