この週末は遅めの夏休みをとり、草津温泉や軽井沢で骨休め。家族で旅行の際はさすがに古本屋へ寄ることはあまりないのだが、今回は軽井沢にある「追分コロニー」、そしてかつて堀辰雄らの文人も宿泊したという旅籠「油屋」を改装したアートスペース「油や」内にある「安房文庫」をのぞいてみた。

▲軽井沢追分の街道は石畳で雰囲気も抜群。ちなみにシャーロック・ホームズ像もこの近所にある
どちらの店も扱っている本は幅広く、特に軽井沢に所縁のある本や作家を揃えている感じか。ミステリや幻想小説も予想以上にあって、品揃え的にはけっこう好み。内装も昔の雰囲気をいかしつつ現代風にアレンジした造りで悪くない。どうやら両店、同じ系列のようで、それも納得である。
どちらも追分にあるので、ミステリファンならシャーロック・ホームズ像を見たついで、文学ファンなら堀辰雄文学記念館を見たついでに立ち寄ってみるのもよいだろう。追分は賑やかな軽井沢中心地とは違い、昔の街道の雰囲気を残したスポットで散策にもおすすめである。

▲「油や」の店頭がこちら。本陣に使われていたこともありなかなかの佇まい

▲こちらは「追分コロニー」。ミステリ成分も悪くない
なお、こちらでの戦果は角川文庫の加納一朗を五冊ほど。加納氏はこの八月に亡くなったばかりで、これも縁かなと思い、すべて買ってしまう。論創ミステリ叢書にも昨年収録されたことだし、どこかのタイミングでまとめ読みしたいところだ。