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 昨日に引き続き、湘南探偵倶楽部さんが復刻した「知られざる短篇」シリーズから一冊。著者も昨日と同じ大下宇陀児で、短篇『R岬の悲劇』である。

 R岬の悲劇

 こんな話。理学教授の織部博士は女学校を出たばかりの妻を娶ったが、彼女は親のいいつけに従っただけで、織部博士を愛していたわけではなかった。だが、そんな彼女を支配するようにして、織部博士は結婚生活をスタートさせる。
 あるとき織部博士は論文執筆のため、後輩の秋元理学士の案内で、妻と運転手も同行させてR岬のある温泉宿へ出かけることにした。旅先では灯台で看守の手伝いをする竜吉という学生とも知り合うが、それが織部夫妻と秋元、竜吉の四人に微妙な緊張関係を生む……。

 ちょっと変わった事件というか、趣向が面白い。語り手は織部博士の運転手だが、彼はいわば狂言回し。物語を引っ張るのは、四角関係を構成する織部夫妻と秋元、竜吉の四人である。しかもこの四人だけで●つの事件が起こり、●人が死亡する。
 といっても『そして誰もいなくなった』的なものではないので念のため(笑)。しいていえば二番目に起こる事件がサプライズを伴うものだが、素人には推理が難しいところだ。
 結局、本作の根っこはあくまで犯罪小説だろう。その意味において、ストーリーやプロットは工夫されており、宇陀児のファンなら、といったところか。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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