ゴールデンウィーク最終日。新型コロナウイルス、延いてはテレワークの影響などもあって、仕事や読書や感想書きなどが混然一体となる非常に微妙なゴールデンウイークであった。といっても明日からもそれほど状況が変わるわけではないけれど。

本日の読了本は盛林堂ミステリアス文庫から出た『大阪圭吉自筆資料集成』。
『大阪圭吉 単行本未収録作品集』を刊行中の盛林堂・小野純一氏が、大阪圭吉の御子息が保存していた自筆資料をまとめた一冊である。自筆資料はすべて写真、しかもオールカラーで収録しており、それだけでページ数は256ページにも及ぶ。ネットで誰かが“大阪圭吉版の『奇譚』(乱歩の自筆ノートをまとめたもの)”と書いていたが、まさに正鵠を得た表現だ。
これだけでも探偵小説の研究者らにはありがたいだろうが、さらに解説などが70ページ余つく親切仕様なのも嬉しい。管理人も書誌的なところはさっぱりなので、この解説も非常に価値のある部分である。
ともかく戦前探偵小説のファンは必携。資料としても実に貴重な一冊。盛林堂さんの通販サイト
「書肆盛林堂」ではまだ在庫があるようなので、気になった人はぜひ今のうちに。