Posted in 08 2020
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大阪圭吉『勤王捕物 丸を書く女』(盛林堂ミステリアス文庫)
大阪圭吉の短編一作を収録した小冊子『勤王捕物 丸を書く女』を読む。かつて名古屋新聞社出版部が発行していた雑誌「にっぽん」に掲載されたものを、盛林堂ミステリアス文庫で復刻したもの。全七作からなる「弓太郎捕物帖」シリーズの一作でもある。

夕暮れ時のこと。軒先に丸を書いて歩く不審な女を見つけた岡ッ引の銀次はさっそく追跡を始めるが……。果たして丸の意味は? そして女の目的は?
二つのミステリ的仕掛けがあって、まあ、今でこそ他愛ないネタではあるが、圭吉作品にしては語り口が滑らかというか、謎の女の追跡劇がテンポよく流れていって楽しく読めた。
ちなみにほぼ同時期に発売された創元推理文庫の『死の快走船』にも「弓太郎捕物帖」が二篇収録されているが、解説によると、それ以外の作品についてはまだ掲載誌すら見つかっていないようだ。生きているうちに全作まとまった形で読めるようになるといいのだが、ちょっと難しそうだな。

夕暮れ時のこと。軒先に丸を書いて歩く不審な女を見つけた岡ッ引の銀次はさっそく追跡を始めるが……。果たして丸の意味は? そして女の目的は?
二つのミステリ的仕掛けがあって、まあ、今でこそ他愛ないネタではあるが、圭吉作品にしては語り口が滑らかというか、謎の女の追跡劇がテンポよく流れていって楽しく読めた。
ちなみにほぼ同時期に発売された創元推理文庫の『死の快走船』にも「弓太郎捕物帖」が二篇収録されているが、解説によると、それ以外の作品についてはまだ掲載誌すら見つかっていないようだ。生きているうちに全作まとまった形で読めるようになるといいのだが、ちょっと難しそうだな。