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 論創ミステリ叢書から『千代有三探偵小説選 II』を読む。まずは収録作。

「女のさそい」
「流れぬ河」
「白い夜」
「雪男雨女」
「スクリーン殺人事件」
「月にひそむ影」
「夢橋」
「夜の影」
「紙吹雪の曲線」
「女子高校二重盗難事件」
「似顔絵の女」
「アラセン王国の危機」
「幽霊は生きていた」
「語らぬ沼」
「殺人混成曲」
「デートの死」
「シャワー・ヌード」
「接吻横丁」
「ローマの乳房」
「小説・江戸川乱歩の館」
「悪い貞女」
「最後の章」
「死者は犯す」
「あられもない死」

 千代有三探偵小説選II

 『千代有三探偵小説選 I』の感想でも触れたとおり、著者の探偵小説観は「謎と論理の文学」であり、純粋な本格思考である。それを実証するかのように犯人当てやクイズ形式の作品も少なくない。ただ、これも同じ記事で書いたが、著者のバックボーンは純文学であり、むしろその特色の出た作品の方が出来は良いように思う。
 I 、II 通じて印象的だったのは意外にエロティシズムを扱う作品が多かったこと。そういう嗜好と探偵小説における志向がもう少し長い作品で成就すればよかったのになぁと思った次第である。

 まあ、そんな中でもいくつか気に入った作品はあり、本書では「雪男雨女」、「殺人混成曲」、「死者は犯す」あたりはアイデアもよく楽しめた。特に「雪男雨女」の真相は面白い。あまりに短いのがもったいなく、もう少ししっかりした形で、松本清張っぽく書いてもらえるとかなりの作品になった感じがする。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



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