もう十年近く前になるけれど、皆進社というところから『狩久全集』が限定三百部で出版されたことがあった。価格が価格だったのでちょっと悩んだが、この機会を逃すと二度と手に入らないのではと思い、エイヤっとばかりに購入したのだが、その
皆進社がオンラインショップを立ち上げ、新たな叢書をスタートするというメールをいただいた。
で、その叢書というのが《仮面・男爵・博士》叢書というネーミングで、詳しいことは不明だが、同サイトによると「怪しい犯罪貴族が跋扈する、通俗探偵小説の世界にようこそ」とある。なんとも怪しくていい感じである。第一弾は水谷準の『薔薇仮面』ということで、即注文したことは言うまでもない。
それにしても出版社ばかりでなく同人でクラシックミステリがどんどん発売・復刻される中、また新たなレーベルがスタートするわけで、ありがたいはありがたいのだが、買う方も無限に小遣いを使えるわけではなく、そこは辛いところだ(苦笑)。飽和状態とはいわないが購入者の中心であろうマニア諸氏も取捨選択せざるを得ないだろうし、作り手の方々も品質や価格その他諸々で頑張っていただきたいものである。
ちなみに『狩久全集』はまだ在庫があるようで絶賛販売中である。興味ある方は今のうちですよ。