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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 06 2022

樺山紘一/編『図説 本の歴史』(ふくろうの本)

 河出書房新社の〈ふくろうの本〉から『図説 本の歴史』を読む。タイトルどおりの内容ではあるが、通史というわけではなく、各時代におけるトピックを豊富なビジュアルとともに解説するというスタイル。

 図説 本の歴史

1章/書物という仕組みは
2章/本が揺り籃から出る
3章/書物にみなぎる活気
4章/本の熟成した味わい
5章/書物はどこへゆくか

 章題は上のとおり。これだけ見ていると漠然としていてそこまで面白そうに思えないのだが(苦笑)、さらに各項のタイトルを見ると、「巻子と冊子」、「アラビア文字とコーラン」、「禁書と梵書」、「検閲—書物の権力」、「装丁の技」「イギリスの挿絵本」、「キリシタン版と駿河版」、「神田神保町」などなどが並び、俄然具体的かつ魅力的に思えてくる。各項はすべて見開き構成なので、どこからでもパラパラ眺めることができるし、本に関する雑学・蘊蓄を気軽に楽しめる一冊といえるだろう。
 もちろん自身も普段から本に接してはいるが、意識しているのはあくまでソフトウェアとしての本である。たまにはこうしてハードウェアとしての本について考えてみるのも悪くない。

 ちなみに読んだのは今年でた新装版で、元版は2011年に刊行されている。そのせいか電子書籍の隆盛や書店の衰退など、近年の本を取り巻く状況についての記事があまりないのがちょっと残念。本の歴史においても大きな変化の時代であることは間違いないので、今度は増補版としてその辺りを追加して出し直してもいいのではないか。

 こういうのを読むとより深い関連書などを読みたくなってくるものだが、個人的には二十年ほど前に買って途中で放り出したアルベルト・マングェルの『読書の歴史 あるいは読者の歴史』をきちんと読み直したくなった。


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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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