fc2ブログ
探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


Posted in 11 2023

マイクル・コナリー『正義の弧(上)』(講談社文庫)

 マイクル・コナリーの『正義の弧』をとりあえず上巻まで。前作『ダーク・アワーズ』に続いて、ハリー・ボッシュとレネイ・バラードの共演作である。

正義の孤(上)

 前作で警察を辞めることになったレネイ・バラードは、ボッシュのパートナーとして私立探偵になる寸前だったが、ラストで再び警察に戻るよう本部長に懇願される、というところで幕を下ろしている。
 本作はそれから一年後が舞台。レネイはロス市警に復帰したようで、彼女の希望によって、ロス市警に未解決事件を専門に扱うチームが立ち上げられる。彼女はそのチームのリーダーになるが、正規の警官は彼女一人、あとはみなパートタイムやボランティアというメンバーだった。市警に戻ったことでボッシュとは疎遠になっていたレネイだったが、このチームにこそボッシュが必要だった。
 ボッシュのもとを久しぶりに訪れたレネイは、ボッシュを誘い、三十年前の女子高生殺人事件を追う。だが、ボッシュはかつて解決できなかった一家殺害事件に執念を燃やしてしまい……。

 ボッシュとレネイのシリーズはなんだか一作ごとに主人公たちの状況が変わってしまい、ちょっと落ち着かない。これもまたマンネリ化を避けるための策の一つだとは思うが、主人公の立ち位置をあまり変えるのは、主人公の考え方や生き方がぶれてしまい、あまり得策とは思えない。
 実際、本作の上巻ではレネイがすっかり管理職になってしまい、どうにも精彩に欠ける印象だ。事件の方も過去の二つの未解決事件を追うが、そこまで動きは見られず。さあ、これを下巻でどう巻き返すか。


« »

11 2023
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

ツリーカテゴリー