fc2ブログ
探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


スチュアート・ウッズ『囚人捜査官』(角川文庫)

 土曜日だというのにやっぱり仕事。おまけに相方が里帰りしているので、家事からペットの世話までこなしてから出勤。自分へのご褒美に、帰りにはガシガシ本を買ってしまう。

 さて、少しでも積読を減らすべく読んだ本は、スチュアート・ウッズ『囚人捜査官』。
 ウッズはお気に入り作家の一人で、過去に出たものはすべて読み、最新刊の『不完全な他人』ももちろん買ってある。しかし今のウッズに過大な期待をかけられないのは、ウッズファンの常識でもあるのだな。
 『警察署長』や『風に乗って』、『草の根』の感動はいまいずこ。映画化狙い、ベストセラー狙い的なエンターテインメント路線爆走が今のウッズの姿。今回も冤罪で無期懲役を宣告された元捜査官が、大統領特赦を条件に、カルト教団への潜入捜査を図るという筋書きで、一気に読ませる。
 いや、これが面白いんだ、腹立つことに。解説で林家こぶ平が、映画にするなら、主役はニコラス・ケイジなんて書いてるが、私ならブルース・ウィリスもよいと思うぞ。
 ご都合主義的な部分もちらほら散見するが、とりあえず暇つぶしにはおすすめの一冊で。でも、やっぱりウッズには、手間暇かけて大作をものにしてほしいのだが。

関連記事

Comments

« »

09 2023
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

ツリーカテゴリー