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探偵小説三昧

天気がいいから今日は探偵小説でも読もうーーある中年編集者が日々探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすページ。

 

スティーヴン・キング『小説作法』(アーティストハウス)

 将来のホームページ開設に向けて、今日から日記をつけることにする。しかし日記をつけるなんて小学生時代の絵日記以来。おまけに人に見せることを前提にした日記なので、どういうふうに書いていけばいいのか、ちょいと悩んだりもしたが、ま、いいや。基本的には買った本、読んだ本を中心にして、それにミステリに関する雑感などをだらだら書いていくしかないか。

 さて記念すべき最初の一冊は、スティーヴン・キング作『小説作法』。
 内容の方はといえば、前半はキングが作家として成功するまでの自伝的お話、後半がキングが考えている小説の在り方について書かれている。
 この本がいわゆるハウトゥ本と違うのは、やはり読ませるテクニックであろう。自著の創作裏話と絡ませながら進めるその文章論、小説論はためになる、というよりはやはり面白いという感想が先にたつ。しかし「本を読まない作家は信用できない」、なんてセリフが出てきたりするから油断はできない。ためになって面白い、という見本のような一冊だ。

 ただ、一番興味を持って読んだのは、お終い近くの交通事故の部分。キングは2001年に車にはねられるという大事故に遭うのだが、事故の顛末とその体験によって生まれた死生観が語られている。
 実は管理人も幼稚園の頃に交通事故に遭い、三ヶ月の入院生活と三年間の通院生活を余儀なくされた過去を持つ。もちろんガキの頃なのでキングほどいろんなことを考えていたわけではないが、理不尽なものを常に感じていたこともまた事実。食べたいものが食べられない。体育は見学。小学一年生の一学期は全休、それによる疎外感などなど。
まあ、この経験がバネになった気もしないではないが、子供の頃の肉体的ハンディはやはり辛い。小説作法とは全然関係ない話だが、管理人もそういう経験があるだけに、やはり死と直面した人の体験談は読まずにはいられない。ましてやそれが好きな小説家の話とあっては。

 ああ、正月に書く1日目の日記だというのに、どんどん暗い方向に(笑)。とりあえずこんな感じで日記の方は進めていこうと思うので、今後ともどうぞご贔屓に。

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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