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小泉喜美子『暗いクラブで逢おう』(徳間文庫)
本日もDVDで映画鑑賞。ものは『ナイト・ミュージアム』。
もしも博物館の展示物が生きていたら、というお話なのだが、展示物が生きている理由なんてどうでもよくて、あくまでドタバタを楽しみつつ、父子のドラマもちょっと盛り込んでみました、という典型的なユルめのハリウッドコメディ映画。何気なくCGも頑張っているのだが、『トランスフォーマー』を観たあとではさすがに分が悪いか(笑)。
本日の読了本は小泉喜美子の『暗いクラブで逢おう』。まずは収録作から。
「日曜日は天国」
「暗いクラブで逢おう」
「死後数日を経て」
「そして、今は……」
「故郷の縁の……」
「酒と薔薇と拳銃」
様式美といってもいいかもしれない。どの作品もまるで洒落た映画のような作り。自らの作風を都会派と称し、美しいミステリを目指していた彼女の、正にど真ん中をいく作品集である。落ちぶれたボクシングの元チャンピオン、バーを経営する元作家志望の男、名門の俳優と離婚した元女優などなどーー夢を達成しそうなところで結局は掴み損ねた登場人物たちの生き様をさらりと料理している。ここまで洒落た形を突き詰めてゆくと、普通は人工臭が鼻につくところだが、際どいところで止めているのも見事だ。
なお、本書に収められた作品は、ミステリといいつつも、かなり広義のそれである。謎解き云々を期待すると肩すかしを食うので要注意。唯一、「酒と薔薇と拳銃」だけはウールリッチ風にオチをつけたスリラーで、甘い後味も本書の締めとしては悪くない。
もしも博物館の展示物が生きていたら、というお話なのだが、展示物が生きている理由なんてどうでもよくて、あくまでドタバタを楽しみつつ、父子のドラマもちょっと盛り込んでみました、という典型的なユルめのハリウッドコメディ映画。何気なくCGも頑張っているのだが、『トランスフォーマー』を観たあとではさすがに分が悪いか(笑)。
本日の読了本は小泉喜美子の『暗いクラブで逢おう』。まずは収録作から。
「日曜日は天国」
「暗いクラブで逢おう」
「死後数日を経て」
「そして、今は……」
「故郷の縁の……」
「酒と薔薇と拳銃」
様式美といってもいいかもしれない。どの作品もまるで洒落た映画のような作り。自らの作風を都会派と称し、美しいミステリを目指していた彼女の、正にど真ん中をいく作品集である。落ちぶれたボクシングの元チャンピオン、バーを経営する元作家志望の男、名門の俳優と離婚した元女優などなどーー夢を達成しそうなところで結局は掴み損ねた登場人物たちの生き様をさらりと料理している。ここまで洒落た形を突き詰めてゆくと、普通は人工臭が鼻につくところだが、際どいところで止めているのも見事だ。
なお、本書に収められた作品は、ミステリといいつつも、かなり広義のそれである。謎解き云々を期待すると肩すかしを食うので要注意。唯一、「酒と薔薇と拳銃」だけはウールリッチ風にオチをつけたスリラーで、甘い後味も本書の締めとしては悪くない。
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