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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


エリオット・チェイズ『さらばゴライアス』(サンケイ文庫)

 それにしても暑いですな、毎日毎日。昨日は久々に横浜まで出かけたのだが、溶けてなくなりそうな一日。ただ、ビールがむちゃくちゃ美味いのだけはありがたい。

 と、グダグダになっていたら、いつのまにかカウンターが10,000越え。たぶん昨日の夜遅くだとは思うが、御訪問の皆様には厚く御礼申し上げます。何とかペースを落とさずにやっていくつもりなので、今後ともご贔屓に。

 読了本はマイナーどころで、エリオット・チェイズの『さらばゴライアス』。今はなきサンケイ文庫の一冊で、扶桑社ミステリーにはおそらくシフトされていないが、それもむべなるかな、という出来。
 主人公は、アメリカ南部アラバマ州の小さな町にある新聞社の社会部長、キール・セント・ジェイムス。クリスマスの早朝、彼はなんと社内で社主の死体を発見する。セント・ジェイムスの友人でもある警部のボールズが捜査を開始するが、ほどなくして社主は周り中から恨まれていることが発覚し……。
 小さな田舎の新聞社で起こるドタバタ騒ぎの一幕、といった趣き。一応は謎のカギを握るポイントもあり、最後にそのカギにそって犯人も明らかになるが、ミステリ的にはここまで引っ張る意味はあまりない。読みどころはむしろ主人公や周囲の関係者のお馬鹿で下品なやりとりにあるのだが、そちらも実はいまいち。残念ながら、暇つぶしにどうぞ、とも言い難い凡庸な作品であった。
 なお、『さらばゴライアス』というタイトルも、ネタバレ的にはやや微妙なところ。ううむ、いいとこなしか。

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プロフィール

sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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