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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ダニエル・ペナック『片目のオオカミ』(白水社)

 土曜をかなりだらだらと過ごしたためけっこう体力も回復。本日は何となく目覚めもよかったので、御岳山まで紅葉見物。見頃にはまだ気持ち早い感じだったが、それなりに命の洗濯を済ませる。ただ、茶屋で食った昼のカツ丼だけは死ぬほど不味かった……。


 以前にダニエル・ペナックという作家の『人喰い鬼のお愉しみ』という本を読んだことがある。これがなかなか面白い小説で、一応はユーモア・ミステリという謳い文句で発表された作品なので、まあ面白いのは当たり前なんだけれど、本質がミステリとは別のところにある印象。独特のクロスオーバー感というべきか、あまりジャンルに囚われない作風がなんともいえない味を醸し出す。日本でも白水社という版元から出たのも頷ける話だ。
 本日読んだ『片目のオオカミ』は、そんな作者が書いたジュヴナイルで、これがやはり一癖もふた癖もある作品であった。

 動物園で出会った片目のオオカミとアフリカと名乗る少年。オオカミは人間に傷つけられた過去を持ち、生きる気力すら失っている。アフリカはそんなオオカミの心を溶かし、やがて一人と一匹はそれぞれの物語を語りあう。そして物語が終わったとき……。

 表面的には動物と人間の触れあいを描いている。それはイコール人と自然との共生であり、環境の保護であり、友情と愛などを描いているということであろう。本作が児童文学であることを考慮すると、非常にわかりやすいテーマではある。
 だが実際に読んでみると、本作がそんなに単純なものではないことがすぐにわかる。上で書いた主題にしても、無理矢理に紋切り型にはめただけの話で、ストーリー展開はいわゆる動物文学や児童文学とはやや離れたところにある。オオカミの話はそれでもだいぶストレートだが、アフリカの話になるとアイロニーも多く含んでいるし、なかなか刺激的な構成と語り口だ。
 正直、ジュヴナイルとはいっても、これはかなり高度な物語である。ペナックという作家、只者ではありません。

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Comments

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高尾山て犬入山禁止なんですか!
そりゃ初耳です。

Posted at 07:33 on 11 20, 2007  by じっちゃん

Edit

じっちゃんさん

御岳山は今週末が見頃でしょうね。ただ、三連休ですし、混むとは思いますが。
ちなみにうちは犬連れなんで、高尾山がだめなんですよねぇ。あそこは犬が入山禁止ってご存じでした?

Posted at 03:56 on 11 20, 2007  by sugata

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御岳山の紅葉か。いいですねえ。
今週末行ってみようかな。
そろそろ見ごろになっているのでは?
高尾山もいいかなあ。

Posted at 03:50 on 11 20, 2007  by じっちゃん

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Posted at 20:46 on 11 19, 2007  by みんな の プロフィール

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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