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 かつて鮎川哲也が著した『幻の探偵作家を求めて』や『こんな探偵作家が読みたい』という本がある。マイナーではあったが忘れるには惜しい戦前の探偵作家たち。そんな作家を紹介すべく、本人やあるいはその遺族を訪ねて行ったインタビューをまとめたものである。
 本日読んだ若狭邦男の『探偵作家追跡』は、それらの本に触発された著者が、その続編にチャレンジした一冊。

 探偵作家追跡

 取り上げられている作家をほんの一部紹介すると、魔子鬼一、香山風太郎、吉良運平、大月恒志、水上幻一郎、華村タマ子、薄風之介、土屋光司などなどといった面々。読んだことがないどころか名前すら知らない作家も多い。
 著者の若狭氏は膨大な探偵小説のコレクションをもとに、その作家の歴を追跡していくわけだが、これにかかる時間と金はいかほどのものだったか。いや、想像するだに恐ろしい(笑)。読まされる読者も不幸である。本書で興味を持った作家がいても、おいそれとは読めない作家ばかりで、まさに目の毒。まあ、名前だけはこれで覚えたので、死ぬまでにはなんとかしたいものだ(笑)。

 さて、基本的には情報がウリの本であるから、そういう意味では十分に満足できたわけだが、残念なところもないではない。
 一番厳しいのは、多くの関係者や文献にあたったであろう取材の過程やインタビューの模様が、それほど盛り込まれていないことだ。個人的には書誌データよりそちらの方に遙かに興味があるのだが、これもマニアの性か、著者は書誌データにこだわりまくる。しかも表などを用いて見やすくしてくれればまだしも、けっこう地の文でそのまま載せることも多い。これがまた読みにくい。
 まあ、私見だが、こういうのは担当した編集さんの責任なんだよなぁ。著者はおそらく文筆のプロではないはずだから、もう少しプロである編集者が気を遣ってあげないとね。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌





永遠朋友さん

はじめまして。
ガイドブックやマニュアル等の編集という仕事をしている経験から言いますと、データを収集する能力や整理する能力、さらにはそれを人に伝える能力は、似ているようでもけっこう別物かと思います。
ですから専門の研究者として実績がある方でも、それを執筆したり発表したりするということにおいては、普通に得手不得手があるのではないでしょうか。

なお、本書の著者の若狭邦男氏が、そもそも国立大学の教授かどうかは、残念ながら存じ上げません。ネットで少し調べた限りでは、同名異人かとも思うのですがいかがでしょう。
【2011/01/25 00:26】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

「若狭邦男」の検索でこちらにたどり着いたのです。
この方はある国立大学で精密機械工学教授であった筈で、データの収集が膨大な割には整理が出来てないというコメントに驚いています。
ある思想を精密に実現する、発明をするという人格ではないのかと驚いたわけです。
工学研究体制を考える時に、大学の研究者とはそういうものかと考え込みました。
【2011/01/24 12:43】 URL | 永遠朋友 #-[ 編集]

はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。
そして素晴らしい情報をありがとうございました。
期待しておりますので、ぜひ頑張ってください!
【2008/06/17 03:39】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

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【2008/06/16 07:04】 | #[ 編集]















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