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 論創ミステリ叢書から『松本泰探偵小説選II』。収録作品は以下のとおりだが、このほか評論や随筆も十数編収録されている。

「詐偽師」
「死を繞る影」
「秘められたる挿話」
「死は死を呼ぶ」
「黒い金曜日」
「付鼻」
「嗣子」
「清風荘事件」
「毒杯を繞る人々」
「昇降機殺人事件」

 松本泰探偵小説選II

 結論から言うと、これまでに読んだ『清風荘事件』『松本泰探偵小説選I』と大きな差はない。探偵小説としてはかなり苦しい作品ばかりで、推理や論理とはほぼ関係ないところで決着を見せられたり、御都合主義も相変わらず連発される。わずかに「付鼻」だけが本格風に構成されていて、それだけでもずいぶん心が安まるぐらいだから、あとは推して知るべし(笑)。また、かなりひいき目に見れば、「清風荘事件」「昇降機殺人事件」などはスリラーとしてそこそこ読める方であろう。とにかくミステリとしての収穫を望む人には辛い一冊。
 なお、文章自体は軽快で読みやすいので、当時の犯罪実話を、異国情緒や時代の雰囲気に絡めてさらっと楽しみたい向きには、悪くない読み物かもしれない。

 松本泰は収録されたエッセイの中で、彼の興味を惹いたのはあくまで事件の背後にある秘密やロマンであると書いている。その過程等にはあまり頓着しなかったことにも触れているのだが、なるほど確かにそのスタンスは理解できないこともないけれど、せめて物語としての芯がもう少し強かったら、と思う次第だ。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



















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