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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


ティムール・ベクマンベトフ『ウォンテッド』

 早くも三月。暦の上では春だというのに天気は一向によくなる気配がない。おまけに季節の変わり目のせいか体調もいまいち。加えて今月から来月にかけては、けっこう気の重い仕事が続くし、いろんな意味でしばらくはブルーであります。
 ま、それだけに休日こそはしっかりとリフレッシュしたいわけだが、基本的には酒と探偵小説、映画ぐらいなので、まあ、あまり平日と変わらないな。しかも安上がり(笑)。

 ところで映画といっても最近はすっかり映画館にも足が遠のき、DVDばかりである。本日もDVD落ちしたばかりの『ウォンテッド』を視聴。去年の秋頃にロードショーがあったやつ。予告編ではアンジェリーナ・ジョリーばかりが目立っていたので、てっきり彼女が主役だと思っていたら、ジェームズ・マカヴォイだったのね。
 物語はマカヴォイ演じるダメ青年ウェスリーが、なぜか殺し屋に命を狙われるところからスタート。この危機を救ったのがアンジェリーナ・ジョリー演じるフォックス。実はウェスリーの父は謎の暗殺組織フラタニティの腕利きだったが、組織を裏切った男によって命を奪われたのだという。超人的な動体視力を父から受け継いだウェスリーは、組織の一員に誘われ、過酷な殺しのトレーニングに身を投じるが……。
 お、予想していたよりはいいじゃないか。トンデモなストーリーだし、『マトリックス』の影響もずいぶん感じられるが、最新の映像技術とそれを利用したアクションのアイディアは要注目である。いわゆるハリウッドのアクション映画とは微妙にテンポや演出が異なる点も興味深い。監督のティムール・ベクマンベトフが、ロシアで大ヒットしたSF映画『ナイト・ウォッチ』を撮った人と知り、それも納得。
 これでラストのアクションシーンの盛り上げ及びどんでん返しを、もう少し盛大かつスマートにやってくれるとよかったのだが。特にアンジェリーナ絡みね。これもティムール・ベクマンベトフ監督の個性と見るかどうかは、意見の分かれるところだろう。とはいえ、トータルでは十分楽しめる出来、暇つぶしには最適の一本である。

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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