- Date: Thu 19 03 2009
- Category: 国内作家 樹下太郎
- Community: テーマ "推理小説・ミステリー" ジャンル "本・雑誌"
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樹下太郎『非行社員絵巻』(文春文庫)
樹下太郎の『非行社員絵巻』を読む。恋人に振られたことがきっかけで、より彩りのある人生をめざすため、非行社員となるべく修行する若手サラリーマン花見八郎の奮闘を描く連作集。なお、本書はミステリーではなく、純粋な明朗サラリーマン小説なので念のため。

「元旦開幕」
「鬼はうち」
「ひなの夜」
「花見花見」
「N号作戦」
「…………」
「多忙社員」
「アナタン」
「月明悲歌」
「ソコツ人」
「清潔城主」
「涙の太陽」
「飛行社員」
『四十九歳大全集』や『サラリーマンの勲章』あたりでは、まだ普通にサラリーマンの生き様や悲哀を描いていたと思うが、本書は本当にお気楽な娯楽もの。なんとも脳天気なストーリーに、適度なお色気とユーモアを散りばめた暇つぶし的一冊である。女性修行がメインになるので、ちょっと古いが『俺の空』的な一面もあり。とはいえその方面を期待するなかれ。なんせ書かれたのは昭和四十一年。描写そのものは非常に牧歌的というか何というか。
ただ、昭和四十一年といえば高度経済成長時代の真っ只中。高度経済成長時代はサラリーマンの時代でもあり、こうしたサラリーマンを主人公にした元気が出る小説に需要があったのは納得できる話だ。さすがに現代では通じにくいところも多いけれど、逆にそういう時代性を感じながら読む手もあるだろう。ま、オススメはしませんけどね(苦笑)。

「元旦開幕」
「鬼はうち」
「ひなの夜」
「花見花見」
「N号作戦」
「…………」
「多忙社員」
「アナタン」
「月明悲歌」
「ソコツ人」
「清潔城主」
「涙の太陽」
「飛行社員」
『四十九歳大全集』や『サラリーマンの勲章』あたりでは、まだ普通にサラリーマンの生き様や悲哀を描いていたと思うが、本書は本当にお気楽な娯楽もの。なんとも脳天気なストーリーに、適度なお色気とユーモアを散りばめた暇つぶし的一冊である。女性修行がメインになるので、ちょっと古いが『俺の空』的な一面もあり。とはいえその方面を期待するなかれ。なんせ書かれたのは昭和四十一年。描写そのものは非常に牧歌的というか何というか。
ただ、昭和四十一年といえば高度経済成長時代の真っ只中。高度経済成長時代はサラリーマンの時代でもあり、こうしたサラリーマンを主人公にした元気が出る小説に需要があったのは納得できる話だ。さすがに現代では通じにくいところも多いけれど、逆にそういう時代性を感じながら読む手もあるだろう。ま、オススメはしませんけどね(苦笑)。
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いや、『四十九歳大全集』をわざわざ探してまで読む価値はないと思いますよ(笑)。
ミステリの方はともかく、サラリーマン小説の方はいま敢えて読む必要はほんとないです。私の過去記事も少し褒めすぎかもしれません(爆)。