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スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ、西へ行く』(ハヤカワミステリ)
オールド・レッドことグスタフ・アムリングマイヤーとビッグ・レッドことオットー・アムリングマイヤー。二人は流れ者のカウボーイ。明日とも知れぬ身の上ではあるが、兄弟の絆があればこそ幾多の困難をも乗り越えてゆける。何よりも二人には、あのシャーロック・ホームズの教えがついているのだ。
というわけで、シャーロック・ホームズに心酔するカウボーイが難事件に挑戦するシリーズ第二弾『荒野のホームズ、西へ行く』読了。

今作では、鉄道会社の保安官として雇われた二人。サンフランシスコへと向かう大陸横断列車に乗りこみ、列車強盗から乗客と鉄道会社の財産を守るのである。ところが乗客やら乗務員はひと癖もふた癖もあるような連中ばかり。それなのに肝心のオールド・レッドの体調が最悪ときては、先行きは不安でいっぱい。案の定、手荷物係が何者かに殺害されるという事件が起きて……。
いやいや、相変わらずの面白さである。
本格テイスト自体はやや薄まっているが、キャラクター造型からストーリー、アクションシーン、ホームズのパロディ要素などなど、あらゆる面で高いレベルに達しており、上等のエンターテインメントに仕上がっている。
前作で気になったいくつかの部分もかなり改善された印象。特にミステリと西部劇のバランスも前作に比べてずいぶんこなれ、より自然に融合している感じ。これでもう少し前半のもたつきを改善してくれるとよりリーダビリティも上がると思うのだが。
とはいえ、それぐらいの疵は些細なこと。著者のサービス精神は脱帽ものであり、トータルの出来は前作を十分に上回る。西部劇かぁと食わず嫌いの人にも強くオススメしたい。
というわけで、シャーロック・ホームズに心酔するカウボーイが難事件に挑戦するシリーズ第二弾『荒野のホームズ、西へ行く』読了。

今作では、鉄道会社の保安官として雇われた二人。サンフランシスコへと向かう大陸横断列車に乗りこみ、列車強盗から乗客と鉄道会社の財産を守るのである。ところが乗客やら乗務員はひと癖もふた癖もあるような連中ばかり。それなのに肝心のオールド・レッドの体調が最悪ときては、先行きは不安でいっぱい。案の定、手荷物係が何者かに殺害されるという事件が起きて……。
いやいや、相変わらずの面白さである。
本格テイスト自体はやや薄まっているが、キャラクター造型からストーリー、アクションシーン、ホームズのパロディ要素などなど、あらゆる面で高いレベルに達しており、上等のエンターテインメントに仕上がっている。
前作で気になったいくつかの部分もかなり改善された印象。特にミステリと西部劇のバランスも前作に比べてずいぶんこなれ、より自然に融合している感じ。これでもう少し前半のもたつきを改善してくれるとよりリーダビリティも上がると思うのだが。
とはいえ、それぐらいの疵は些細なこと。著者のサービス精神は脱帽ものであり、トータルの出来は前作を十分に上回る。西部劇かぁと食わず嫌いの人にも強くオススメしたい。
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ポール・ブリッツさん
アウグスティヌスは純粋な哲学書とか神学書? すごいものを読んでいますね。私だったらおそらく3秒で落ちるものと思われます。
ドートマンダーは『泥棒が1ダース』のことですよね。こちらなら私も徹夜でいけそう。
織姫さん
これはもう冗談ヌキで、ホントにオススメです。
本作からでも十分に楽しめるとは思いますが、織姫さんも書かれているように、できれば前作の『荒野のホームズ』から試してみて下さい。あちらには、なぜホームズを崇拝するようになったかというエピソードなども盛り込まれていますので、より世界観が理解しやすいはずです。
Posted at 04:01 on 09 05, 2009 by sugata