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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


アダム・ファウアー『数学的にありえない(上)』(文春文庫)

 アダム・ファウアーの『数学的にありえない』を上巻まで読了。元本は三年前に出ており、当時の『このミス』で五位、文春のベストテンでは三位に入った作品である。今回読んだのはその文庫版。

 乱暴に言うと、巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者の活躍を描くといった内容。膨大な情報や知識をもとに壮大なホラ話を展開するといった作風は、マイクル・クライトンやダン・ブラウンを彷彿とさせ、決して嫌いではない。メイン・テーマであり味つけでもある確率論や統計学の使い方も堂に入ったものだ。
 とりあえず上巻では主要な登場人物たちそれぞれの物語が語られるものの、その全貌はほとんど掴めない。それらのエピソードがやがて一本の流れに集約されるのが、この手の作品の読みどころだから、ここは下巻に期待であろう。

 数学的にありえない(上)

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Comments

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Sphereさん

今年の夏頃に文庫になりました。単行本の頃から気にはなってたんですが、買おう買おうと思っていたらいつのまにか文庫になっていたというパターンですね。
ちなみに先日、創元推理文庫で出た藤雪夫&藤桂子の『獅子座』は、単行本で積ん読していたら、読む前に文庫になってしまったという痛恨のパターンでした。

Posted at 22:04 on 11 29, 2009  by sugata

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これ、このミスに入った時に読もうと思ったんですが、図書館に行くといつも上巻だけなくて下巻はあるという状態で、「みんな上巻で挫折してるのか・・?」と思って未読のままです。もう文庫になったんですね。

Posted at 21:34 on 11 29, 2009  by Sphere

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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