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 本日は休みをとって野暮用を片付ける。その帰りに書店へ寄ると、出てます出てます『週刊文春十二月十日号』。お目当てはもちろん年に一度の「ミステリーベスト10」の発表である。

 今では山ほど出ている各種ベスト10だが、かつてはミステリのベスト10というとこの文春のものがすべて。その昔は貴重な情報源だったわけだが、単なる話題作や大作、人気作家の作品ばかりがランクインするといった状況が続いたせいで、だんだんとご威光を失ってしまった経緯がある。さらにはその状況に業を煮やした方々が、「このミス」等、独立した書籍という形でベスト10を始めたものだから、今ではずいぶん影の薄いベスト10になった印象だ(とはいえ、年末休みをつかってたまにはミステリでも読んでみようかという一般読者には、もちろんこれで十分なんだけど)。

 さて、そんな文春の「2009ミステリーベスト10」だが、やはり話題作が強い。1位は『ミステリが読みたい!2010年版』に続いて『ミレニアム』三部作が堂々のV2。『犬の力』は一歩及ばず2位。
 気になるのは3位の『ソウル・コレクター』で、悪い作品じゃないけどディーヴァーの中では落ちる方だし、こういうのが入ってくるとやっぱり「え?」ってなってしまう。

 これは単純に加点システムをとっているからで、多く読まれている作品が有利になることは明らか。この方式をとるなら、本来は審査員全員がすべてのノミネート作品を読んだ上で、という条件が必要なのだが、もちろん審査員全員が専門家ではないので、それは不可能だろう。歪なランキングができるわけである。これは早川の『ミステリが読みたい!』も同じなのだが、今回から審査員は一応プロで統一しているらしいので、少しはこの欠陥も改善されていると信じたいが……。

 翻訳ミステリが苦しいと言われ続けている昨今、こういう業界を活性化させるお祭りは以前にも増して重要性は増しているわけで。だからこそ逆に読者が離れるような、しらけることはしてほしくないわけだ。せっかく「翻訳ミステリー大賞シンジケート」なんていう動きもあるわけだし、肝心の出版社がもう少し考えないとね。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




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