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 暮れも近づき、ぼちぼち飲む機会が増えているのだが、今週から本格的に各種忘年会シーズンとなる。基本的にはほぼ毎日飲んでいるのだが、さすがに忘年会ともなると一回当たりの酒量が違うので、中一日ぐらいのペースでないと身体がもたない。
 といいつつも、こうして日記を書きながら飲む酒がまた旨い。


 読了本はD・M・ディヴァインの『災厄の紳士』。まずはストーリー。
 ジゴロ稼業で食いつなぐネヴィル・リチャードソンの元へ大きな話が舞い込んできた。獲物は有名な作家の娘アルマ。ネヴィルは巧みな指示を出してくる“共犯者”に命じられるまま、徐々に彼女の心をつかんでゆく。だが、ネヴィルと“共犯者”の策略が成功したかに見えたとき、大きな災厄が降りかかる……。

 災厄の紳士

 もはやディヴァインにハズレ無しって感じですか。既に年末の各種ベスト10にもランクインしているし、何より過去の作品のレベルを考えるとつまらないわけがないとは思っていたけれど、予想どおりの面白さである。
 本作では構成にやや変わった趣向が凝らされている。前半では結婚詐欺を企む男を中心に語る倒叙風の物語、後半では一転して捜査や推理を主軸に据えたオーソドックスな本格仕立てというもの。二段構えという構成はもちろんだが、前半の結婚詐欺という趣向だけでもディヴァインとしてはなかなか珍しく、ここからどういう形で本格にもっていくのかという興味で読むのも面白い。

 また、これは毎度のことだが相変わらず人物描写が巧い。ひと癖もふた癖もある登場人物たちの実に生き生きとしていること。とりわけ前半のネヴィルとアルマの一連の騒動を通して各人のキャラクターを描き出すやりかたは鮮やか。そしてこれも毎度のことなのだが、この人物描写の中にも数々の伏線を忍ばせているのが見事だ。正しくディヴァイン・ミステリーの真骨頂といえるだろう。

 微かな希望を含んだラストシーンも印象的で、この苦く辛い物語に、何ともいえない余韻を残している。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



















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