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 もともとは仕事半分趣味半分で始めたTwitterだが、まだその真価や面白さを知ったとは言い難い。実際に毎日つぶやいているし、各種情報も雑誌やネットで見聞きしているとはいえ、まだまだ消化不良である。そこで手に取ったのが津田大介の『Twitter社会論』。
 普段は滅多なことでは仕事関係で読む本のことなど触れないのだが、ま、Twitterに関しては個人的興味もずいぶん増してきたから、まあいいや。

 Twitter社会論

 著者の津田大介氏は、早くからTwitterに着目し、使いこなしてきたメディアジャーナリスト。そして「tsudaる」という言葉の(恥ずかしながらこの言葉も一ヶ月ほど前にたまたまネットで知ったばかり)元になった方でもある。ちなみに「tsudaる」とは、各種のシンポジウムや審議会、カンファレンス等に出席し、現場で参加者の発言をリアルタイムでTwitter上に送り続ける行為のこと。要はTwitterによる実況中継である。
 この実況中継という使い方でも示されるように、リアルタイム性こそがTwitterの大きな魅力のひとつでもあるわけだが、本書はそんなTwitterの魅力をはじめとして、その意義や社会との関わりなどを、自らの体験も交えて解説したものである。正直、「社会論」というほど固いものでも難しいものでもなく、あくまでTwitter入門書といった内容。だが語り口もよく、非常にわかりやすく書かれた本であることは確かだ。

 とりあえず構成がしっかりまとまっている。非常に頭に入りやすい流れで、これは著者か編集者もしくはその両者のお手柄である。入門書として、これは非常に重要なことなのだ。
 まず第1章ではTwitterの大雑把な紹介から入り、そのメリットや特徴を解説。イメージができたところで、第2章では著者のTwitter体験記。ここでは利便性もさることながら、なぜ中毒性を持っているかがポイントとして語られる。そして第3章で、Twitterの政治やビジネスでの使われ方を実例を挙げて紹介し、そのツールとしての可能性や将来性に目を向ける。実際、この本に興味をもつ人は、だらだらとつぶやくだけが目的ではなく、おそらくビジネス展開に活用できるのかという狙いを持っているはずで(自分がそうだ)、そのニーズをしっかり理解した構成なのである。そして締めはぐっとくだけて、あの勝間和代女史との対談。

 著者はバリバリのTwitter使いながら、あくまで客観的視点を崩さないのがいい。ツールとしての関わりに徹し、その上でメリットとデメリットを分析する。
 メディアとして見た場合、0.5次情報としての意味合いを持つこと。あるいは他のネットメディアと比較した場合、脆弱な部分も少なくはなく、決して本流にはならないだろうけれど、部分的には凌駕する部分もまた多いこと。これだけ爆発的にユーザーが増え、政治や企業にも利用され始めているにもかかわらず、まだビジネスモデルとして確立されるほどの成功例がないことなど、気になる記述は多い。

 既知の情報もまたそれなりに多いのだが、まあ入門書なのでそれは仕方ない。それより、このTwitterという日本ではまだブレイクしきっていない新しいツールに、果たしてどのような可能性があるのか、それを考えるための入り口ということで、本書は非常に有効である。この本に書かれていることをすべてネットで調べようと思ったら、それはそれでけっこう面倒なのだ。ああ、なんという矛盾(笑)。

 ところで本日、某政党の谷垣某が「Twitterは嫌い」みたいなことを言ったらしいが、ま、鳩山総理を皮肉る意味で言ったのだとしても、これは痛すぎる。先入観やうろ覚えの知識だけで言ってるのが丸わかりである。オバマ大統領をはじめとする多くの政治家が既に活用している事実や、災害や事件で大きな役割を果たしていることを知らないのかね?
 まあ、そういう自分もつい数ヶ月前までは似たようなものだったのだが(笑)。


テーマ:評論集 - ジャンル:本・雑誌




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