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探偵小説三昧

日々,探偵小説を読みまくり、その感想を書き散らかすブログ


エミルオンのこと

 エミルオンという出版社をご存じだろうか。ドイルの翻訳で知られる笹野史隆氏が、コナン・ドイルの小説全集を刊行するために設立した、北海道の小さな出版社である。
 本日、その最新刊『コナン・ドイル小説全集第24巻シャーロック・ホームズの回想(下)』が届いたのだが、同封されていた訳者あとがきが何とも考えさせられるものであった。
 最初に予約を募り、100人を越えれば何とか採算があうというラインをクリアしてスタートしたのが六年前。それが続けば何の問題もなかったのだろうが、相次ぐキャンセル、ひどいのになると代金踏み倒しという輩が後を絶たず、続刊の刊行が非常に厳しい状況であるという。
 定価と部数を計算すれば誰でもわかることだが、失礼ながら毎回の売上げなどたかがしれている。おそらく印刷製本だけでめいっぱい、人件費など考えればまず赤字は間違いない。
 世の中の景気を考えれば、キャンセルや踏み倒した方々にもいろいろな事情はあったと思う。せめて悪意はないと信じたいのだが、もともと訳者が一人で翻訳し、採算ギリギリのところで進めてこられた一大事業である。いわば発行元と読者の信頼のもとで始まった全集なのだ。これをそんなくだらない理由で中断してもらいたくはない。
 確かに一冊一冊は高い。けれども部数が少ない以上、コストが上がるのは仕方のないことだ。しかも高いとはいえ、一年で数冊の刊行だから、せいぜい年間一万円を超えるぐらい。それぐらいの代金に困るような人間がはじめから予約するなといいたい。こうなったら版元は踏み倒した人間の名前ぐらいは公表するべきではないか?
 とにかくこのままでは本を出せば出すほど版元は赤字がつのるばかりであろう。読者としては全集が完結できるよう、せめてちゃんと代金ぐらい払おうではないか(ああ、なんという低レベルのメッセージだ)。

 と、こういう呪詛に満ちた文章ばかりでは何なので、エミルオンさんに提案。
 せめて大手や専門出版社さんに協力してもらって、第二次の購読者を募ってみてはどうだろうか。この全集の存在自体を知らない人も多いだろうし、しっかりした告知によって数十人なら集まるのでは。既刊分については在庫があればそれで対処、在庫がなければ第二次で集まった数で、重版分を印刷会社と検討する。そんな形で進めることはできないでしょうか。
 とにかく頑張って下さい。心より応援しております。
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Comments

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涼さん

いえいえ、今回の記事はあくまで私が勝手に思っているところを書いているだけですので、お気遣いは無用です。
とはいえ、本当にドイル小説全集を購入したいとお望みでしたら、まずは版元にお問い合わせ下さるのが一番かと。下でも書きましたが、もしかしたら重版なんてことになるかもしれません。

Posted at 23:59 on 01 31, 2010  by sugata

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第二次募集を!

∥第二次の購読者を募ってみてはどうだろうか。

ぜひ、お願いしたいです。
何か行動を起こせますか?


Posted at 17:05 on 01 31, 2010  by

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>saveさん

実に悲しい現実です。非常に微力ではありますが、この全集のことを知ってもらえれば、少しは購読してくれる方も増えるかも知れないと思い、今回の記事を書いた次第です。
エミルオンさんいついては、ホームページもあるので、こちらから問い合わせてみてはどうでしょうか。そういう声が多ければ重版もあるかもしれません。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~emilon/

Posted at 00:43 on 01 31, 2010  by sugata

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敬愛する白石朗さんのツイッターではじめて全集なるものの存在を知りました。どひゃーマジかよ、って感じです。
ドイル全集、できれば購入したかった。知っていたらではあるけれども。
というか、翻訳小説好きが踏み倒したら、業界が危ないことになりそうだから、踏み倒したりしないし。
第二次の購読者募集とかがあれば、教えて下さい。

Posted at 00:22 on 01 31, 2010  by save

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sugata

Author:sugata
ミステリならなんでも好物。特に翻訳ミステリと国内外問わずクラシック全般。
四半世紀勤めていた書籍・WEB等の制作会社を辞め、2021年よりフリーランスの編集者&ライターとしてぼちぼち活動中。

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