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 東宝特撮DVDから『空の大怪獣ラドン』を観る。東宝三大怪獣の地位にありながら、バイプレイヤーとしての活躍が多いラドン。本作はそのラドン唯一の単独主演作である。
 公開は1956年。東宝の怪獣映画第三作目にして、初のカラー映画。監督はおなじみ本多猪四郎、特技監督はもちろん円谷英二、原作は黒沼健という陣容だ。
 初期の東宝特撮映画は原作者に香山滋や中村真一郎など一級の作家を起用しているが、本作でも黒沼健を起用しているのが要注目。今ではほとんど知られていない作家だが、SFやミステリの翻訳・著作で活躍し、とりわけオカルト系については多くの著作を残している。

 で、この原作が功を奏したか、本作のストーリーがなかなか悪くないのである。尺は短いものの、阿蘇山近くの炭坑町で起こったトラブルから殺人事件への発展、意外な犯人、そこからさらに大きな事件へと連鎖し、やがてラドン出現へと繋がる流れは非常に巧み。しかもテンポがよい。ラドン出現からラストに至るまでもまったく間延びすることなくピシッと締める。観る者をまったく退屈させない鮮やかな作りである。
 舞台を阿蘇山や北九州に絞ったところ、主人公を記者や科学者、パイロットといった怪獣映画に便利な職業にせず、炭坑で働く若者に設定しているところも、ゴジラとは違ったものを作るという姿勢が伺えてよい。そのため若干、スケール感に欠けるきらいはあるが、ストーリーという点では『ゴジラ』を上回るといっても過言ではないだろう。
 ただ欠点もないではない。映像のつなぎのぎこちなさ(これは現存データの問題か?)。メッセージ性の弱さ。ラストのラドンの最期のわかりにくさなど。
 とはいえ全体的にはよくできた映画であり、飛行する怪獣をどのように表現するかという円谷の挑戦はやはり見どころ満載だ。個人的には歴代怪獣映画のなかでも特に好きな作品である。






kennさん

おお、また一人ラドンをご贔屓にしてくれる方が。しかも一番とは嬉しいなあ。確かに導入を直接ラドンにしていないところが魅力ですね。
でも皆さん、古い映画なのにけっこう観てるんですねー。
【2010/02/21 22:37】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

ラドンがでてくるまでのこわさ、
ワクワクするような謎は、
特撮映画の中でもいちばんじゃないかって気がします。
ぼくも大好きですね、これは。
【2010/02/21 21:18】 URL | kenn #NV6rn1uo[ 編集]

ポール・ブリッツさん

私も映画だけでなく、怪獣としてもお気に入りです。他の映画での扱いがどうにも我慢ならんですよ。

創元の「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」に代表作が入っていない点については、まったく同感ですねぇ。おなじ創元の「世界短編傑作集」に入っているので重複を避けたんでしょうけれど。
やはりフットレルなら「十三号独房の問題」、モリスンなら「レントン館盗難事件」、ベイリーなら「黄色いなめくじ」が入ってないと、画竜点睛を欠くって感じでしょうか。人に勧めるときなんかも、一番読ませたい短編が入っていないっていうのは困りますね(苦笑)
【2010/02/21 17:43】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

ラドンはわたしも大好きです。わたしの見た怪獣映画の中でもお気に入りの一作です。面白かったなあ!

無限のカネと置く場所さえあれば、あの円谷映画のシリーズ、全部買うんですが……うむむむしくしく。


ところで話はなんの関連もありませんが、「思考機械の事件簿I」買って読了しました。ううむやはり名探偵の出てくるミステリはいいぜ。
今度はいっしょに買った「サム・ホーソーンの事件簿Ⅵ」を読むぞ~!!
でも、「シリーズ中一番面白い作品が別のアンソロジーに入っている」という創元のこれら「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」は正直どうかと思います。
少なくともソーンダイク博士と思考機械とマーティン・ヒューイットとレジー・フォーチュンとええとほかにいたっけのファンはひとこといってしかるべきだと思うんだけどなあ。
完全版を編むわけにはいかないのかなあ。
【2010/02/21 15:18】 URL | ポール・ブリッツ #0MyT0dLg[ 編集]















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