ADMIN TITLE LIST
 昨日の「世界ふしぎ発見!」でシャーロック・ホームズ特集をやっていたが、元々あまり期待していなかったとはいえ、それにしてもしょぼかった。せっかくイギリスロケをやっているのに「これだけ?」という感じ。クイズもホームズと関係ないものばかりで、要はホームズではなくヴィクトリア王朝時代を紹介したかったのかなと。
 しかし、世界一有名な探偵、ホームズをもってしてもこの程度だから、海外ミステリに対する世間様の認識は推して知るべし、といったところか。
 そういえばもうすぐ映画も公開されるが、ヘタにマニアや関係者がしたり顔で「あれは意外と真のホームズ像に近いんだよ」なんて発言しないことを祈るばかり。知らない人は信じちゃうんだから。




 相変わらず週末の天気が悪く、積んであるDVDの消化。シリーズ第二十五作目にあたる『刑事コロンボ/権力の墓穴』を観る。
 犯人にコロンボの上司=警察本部の副部長を設定したことで、実にインパクトあるエピソードとして記憶される一作。犯行のきっかけが、隣人の偶発的な妻殺しによるものであり、そこから自分も妻殺しを思いつき、隣人にアリバイ工作をさせるというアイディアもいい。交換殺人ならず交換共犯というわけで、なかなか独創的だ。世評もけっこう高い作品である。
 演出もよくて、冒頭の部分――知人の犯行のアリバイ工作に奔走する犯人が、仕上げに警察に通報するシーン――は実に巧い。予備知識無しでみた場合、視聴者はここで初めて犯人が警察官であることを知るわけである。
 また、ラストのコロンボの仕掛けも実に鮮やか。あくまで演技を続ける犯人に対し、コロンボは執拗にひとつずつ説明を加え、そしてトドメのあれ。

 このように本作はオープニングとエンディングがビシッと決まっているので、トータルの印象はすこぶる良い。それが世評の高さに影響していると思われるが、実は弱点もそれなりにあって、しかもこれがスルーできるほど小さい問題ではない。
 一番の問題は、犯行時のアリバイ作りの杜撰さだろう。
 副本部長自らがヘリコプターから犯行を目撃するという点。ヘリコプターまで使ってパトロールを強化するというのに、その日に泥棒がわざわざ凶行に及び、そればかりかヘリの前に身をさらけだすという点。肺を調べられればプールで死んだか風呂で死んだかわかりそうなものなのに、そこまで気が回らない点。素人ならいざ知らず、これをキャリア警察官が考えた筋書きとするところに難がある。
 だから、犯人はコロンボの推理を論理的に潰すことが出来ず、ただ強引に窃盗犯の線に固執するのみ。あげくは地位を利用して、コロンボにまでそちらを担当させようとするから、余計に疑われる始末だ。これではコロンボの相手としてはいささか物足りない。結局、ラストでコロンボの仕掛けたワナにあっさりはまるわけだが、それも当然の結果だろう(苦笑)。

 結論。水準には達しているし見るべきところも多く楽しめるが、犯人がいまいち。もう少し頭脳派だったらより緊張感も増し、大傑作になっただろうに。惜しい。


テーマ:刑事コロンボ - ジャンル:映画





Sphereさん

空き巣のおじさん、確かにいい味出してますね。ほとんどムショ暮らしという壮絶な設定なんですが、まったくそれを感じさせない、粋な下町のオヤジ風になっているのが楽しいです。
【2010/03/09 01:36】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

これもけっこう好きな作品です。
コロンボが最後に協力を頼む空き巣のおじさんがお気に入りで。(私の場合、コロンボ作品の評価ってけっこうサブキャラに依存してるのかもしれない、と最近思います)
でも言われてみれば、犯人がキャリア官僚のわりに頭脳的に今ひとつ、というのは確かですね。
【2010/03/08 21:50】 URL | Sphere #AgXjGueg[ 編集]















管理者にだけ表示を許可する



| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2017 探偵小説三昧, All rights reserved.
ネット小説