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 『エラリー・クイーンの国際事件簿』を読む。
 クイーンファンには常識だろうが、本書は聖典ではなくノンフィクション。しかもマンフレッド・B・リーが単独で書いたという犯罪実話集である。

 エラリー・クイーンの国際事件簿

 そもそもは1940年代に「アメリカン・ウィークリイ」という雑誌で著名ミステリ作家の書いた犯罪実話を連載した企画があって、それにクイーンも二篇ほど寄稿したらしい。その企画が好評だったようで、今度はクイーンのみ、しかもリー単独で連載がスタートし、後に『エラリー・クイーンの国際事件簿』として刊行されたものだ。ちなみにこの連載はよほど好評だったらしく、ガードナーの連載を挟んで再びクイーンにおはちが回り、それも『事件の中の女』として刊行された。
 本書はなんとこの二冊に加え、さらにおまけとして、きっかけとなった二篇も収録した超お買い得版である。

 と煽ってみたものの、しょせんは余技的な犯罪実話集。似たようなヴァン・ダインの『ファイロ・ヴァンスの犯罪事件簿』にもかなりガックリした経験もあるし、しかも、実は今はなき『EQ』に掲載されたものを数編読んだことがあって、そちらでも退屈した記憶しかない。
 ま、こういう先入観があったにもかかわらず、まとめて読むと意外に面白かった、なんて感想を書ければいいのだろうが、残念ながら印象はやはりそれほど変わらなかった(苦笑)。ただ、ヴァン・ダインのそれに比べればはるかに出来はよく、ミステリとしての期待さえ抱かなければ、暇つぶし程度にはなる。

 ただし、おまけ的に収録されている二編のうちの「あるドン・ファンの死」だけは要チェック。
 ここで取り上げられている事件は、ヴァン・ダインがデビュー作の『ベンスン殺人事件』のモチーフにした事件であり、これをクイーンがどう扱っているかという興味で楽しむことができるわけで、個人的にはこれを読めただけでもまあいいか、てなもんである。
 とはいえ、やはり本書をオススメできるのは、クイーンの熱烈なファンぐらいなんだろうなぁ。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌



















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