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 昨日は少しだけGWらしいことをしておこうと、渋滞&混雑覚悟でひたち海浜公園へ。覚悟を決めていったけれど、常磐道や北関東道が思ったほどの渋滞ではなくてひと安心。というか普段の週末の中央道がひどすぎるんだろうな。


 本日は、例によって東宝特撮映画DVDコレクションから『ガス人間第一号』を観る。
 出入りが不可能な金庫室を狙って、立て続けに銀行強盗が発生する。警察は容疑者を強引に逮捕し、さらには盗まれた紙幣を使っていたことから共犯と思われた日本舞踊の家元・藤千代をも拘留する。
 だが、そこへ現れたのは真犯人を名乗る男。彼は特殊な人体実験によって、身体をガス状に変えることができ、その力で銀行を襲っていたのだ。そして盗んだ金は、彼が愛する藤千代に貢いでいたのだという。ガス人間は藤千代の釈放を迫り、さらに犯行を重ねてゆくが……。

 1960年の本多猪四郎監督による作品で、『美女と液体人間』、『電送人間』に続く「変身人間シリーズ」の第三作。この頃の東宝特撮映画は、別にイコール怪獣ものというわけではなく、SFものや怪奇ものなど、さまざまな路線を模索していた時代でもある。
 本作の場合も特撮で見せるというよりは、普通に大人向けのスリラー映画という趣き。零落した流派を復興させようと芸の道に生きる日舞の家元・藤千代。盲目的に藤千代に尽くそうとするガス人間。この二人の恋愛模様をベースに、犯行を繰り返すガス人間とそれを阻止しようとする警察の戦いが縦軸となる。
 とはいえストーリーとしては、実はそれほど凝ったものではない。全編を覆うウェットな世界観がしっかりと構築され、また、役者陣の演技も実に見事なため、叙情性の高い感動的な物語に仕上がったと見るべきだろう。

 特筆すべきはやはり藤千代演じる八千草薫とガス人間役の土屋嘉男。ガス人間の愛情が異常なのはもちろんだが、藤千代にしても芸のためなら……という、一種狂気を宿した部分がある。
 観客不在のなか、藤千代がラストで舞を踊るシーンはもはやお家復興のためではなく、その後の悲壮な決意を表しており、般若の面に変わったときも、単なる踊りの演出以上のものを感じさせる効果があり、インパクトは絶大。東宝特撮史上でも名シーンでしょ、これは。

 なお、上では特撮がメインではないというようなことも書いたが、確かにそれほどお金はかけてない感じだけれど、鉄格子をすり抜けるシーンや、ガス化するシーンなどアイディアは悪くないし、見せ方もけっこう上手い。特に鉄格子の場面は『ターミネーター2』で似たようなシーンがあったけれど、こっちが二十年以上早くやっていたわけだ。
 また、個人的にはBGMで『ウルトラQ』のものが使われていて感激。実はこれも本作が元祖で、ここから『ウルトラQ』に流用されたらしい。

 そんなこんなで、小粒なれども本作はけっこう見逃せない作品。特撮ファン必見、と書いておこう。






>めとろんさん
おお、『ガス人間第一号』にそれほど入れ込んでいらっしゃるとは知りませんでした。でも実際、それだけの価値ある作品ですよね。八千草薫の熱演は素晴らしいですし、全編を覆う雰囲気も最高です。

こちらこそ映画評を参考にさせてもらっています。今後ともよろしくお願いします。
【2010/05/10 20:12】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

遅ればせながら、20万ヒットおめでとうございます!

小説の情報源として、主にこちらのブログを活用させていただいております。末長く、頑張って下さい!

『ガス人間第一号』、東宝特撮のなかでも個人的に一、二を争う偏愛作品であります。

土屋嘉男と八千草薫の悲恋物語というか、ストーカーチックな妄執の物語といいましょうか。
お家のためとはいえ、その愛を受け入れたかに見えながら、ともに滅んでいく八千草さんの凄まじい美しさに、子どもの頃ショックを受けました。(笑)

これからも、いろいろ学ばせて頂きます。できれば、子育ても。(笑) よろしくお願い致します。
【2010/05/10 12:50】 URL | めとろん #nzfQoPME[ 編集]















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