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 昨日は「甦る江戸川乱歩の世界展」をのぞいてきたわけだが、もうひとつ作家絡みの展示イベントが、文京区の弥生美術館で行われている。昨年亡くなった栗本薫の軌跡を、初版本、装幀原画、原稿、写真などの作品資料で構成したもので、題して「栗本薫/中島梓展~ 書くことは生きること~」
 こちらの会期は7月2日~9月26日までと、割と余裕あり。

 というようなことを知ったのも、『栗本薫・中島梓 JUNEからグイン・サーガまで』を買ったからなのだが、本書はどうやら弥生美術館の展示イベントとのコラボレーション企画っぽい。内容もイベント同様、栗本薫/中島梓の足跡を装丁や原稿などで彩りながら紹介したものである。
 ちなみに弥生美術館の文芸系企画って、けっこう河出書房新社とのコラボが多い気がするんだが、そういう提携というか特別な関係でもあるのかしら?

栗本薫・中島梓

 さて、『栗本薫・中島梓 JUNEからグイン・サーガまで』の中身だが、河出の〈らんぷの本〉の一冊なので、あくまでビジュアル中心。それほど詳しいものではない。
 だが、もともと栗本薫という作家は実に幅広い活動を行ってきた人だ。ファンにしてもその活動すべてを把握している人はそれほど多くないはずで、とりあえず俯瞰するには便利な一冊である。

 巻末の著作リストを参考にすると、管理人の栗本薫読書歴はデビューから7~8年ほど、だいたい1985年ぐらいまでのようだ。この頃までの作品は熱心に読んでいるが(ただしグイン・サーガは五巻で厭きた)、それ以降は自然に読まなくなっている。ぶっちゃけフリークとまではいかないのだが、それでも五十冊ぐらいは読んでるから、そこそこのファン、ぐらいか。

 管理人にとっての栗本薫は、やはりお話作りの上手さ、ストーリーテラーというところに魅力がある。彼女のすごいところはあらゆるジャンルでその本質を見抜き、自家薬籠中のものにできるところだ。この数多い引き出しから自在にアイテムを選び、お話を組み立てていく技術が素晴らしいのである。
 キャラクターや趣味に走りすぎた後期作品はいかがなものかという気もするが、初期のミステリやSFは良い意味でのマニア気質も炸裂していて、やはり上手いし面白い。ここにデビュー作をもってくるのはちょっとアレかもしれないけれど、『ぼくらの時代』などはやっぱりいい作品だと思う。
 いずれ栗本薫/中島梓の残した業績がまた評価されることもあるだろう。そのとき取り上げられるのは、グイン・サーガなのかBLなのか、それともミステリなのかSFなのか、気になるところではある。


テーマ:評論集 - ジャンル:本・雑誌





>Sphereさん
現物はもっとインパクトがあるんですよう(泣)。ある意味、エッチ本の方が恥ずかしくないくらいです。まあ、栗本さんには何の罪もないんですが(いや、少しはあるな)。

栗本薫の仕事でより印象に残っているのは、自分の作り出したキャラクターを共演させてパラレルワールドを作り上げたことや、同じ主人公をミステリにもSFにも登場させたことですかね。別に栗本薫が最初というわけではありませんが、より彼女の稚気が感じられて、当時はけっこう楽しんだ記憶があります。
【2010/07/29 00:15】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

うーむ、たしかにこれはレジに持っていくのが恥ずかしい表紙かも。
グインサーガは5巻までしかお読みになってなかったんですね。惜しいな~6巻から面白くなったのに(^^;(25巻くらいまでですが)
私は一応晩年の作品もだいたい読んでますが、やはりデビューから7~8年が一番良かったと思います。初期の作品は全部持ってるので、そのうち読み返したいと思っているのですが…

ところでお身体の調子はいかがですか。
お大事になさって下さいね。
【2010/07/28 22:21】 URL | Sphere #AgXjGueg[ 編集]















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