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 「東宝特撮映画DVDコレクション」を定期購読しているが、つい関連商品の『東宝特撮映画DVDコレクション SOUND TRACK the BEST』まで買ってしまい、昨日到着。要は東宝特撮映画のサントラベスト盤である。さっそくiPhoneとiPodにも落とし、これで日々、通勤であろうがドライブ中であろうが、いつでもゴジラのメインテーマを聞けるようになったのだが、我ながらいったい何をやっているのやら。


 嫁さんが里帰りしている間に「東宝特撮映画DVDコレクション」をせっせと消化する。本日は本多猪四郎監督の『緯度0大作戦』。
 ところでのっけから横道に逸れて恐縮だが、「東宝特撮映画DVDコレクション」には、残念ながらラインアップされていない作品もいくつかある。管理人が把握しているのは『獣人雪男』と『ノストラダムスの大予言』の二つで、これらは作中で差別表現を含んでいるのが原因。今後もおそらくDVDやブルーレイ化される可能性はかなり低いらしい。
 実は『緯度0大作戦』も長らく商品化されなかった作品のひとつである。こちらの理由は映像の二次利用に関する権利関係の問題だったのだが、2006年には契約書が無事発見され、DVD化されるに至ったとのこと。管理人も本作はこれまで未見であり、そのおかげでこうしてブログも書けるわけだからありがたい話である。

 それはともかく。せっかく初めて観ることができた映画ながら、これがまたとんでもない作品であった。見るべきところもあるのだが、ツッコミどころがそれ以上に多くて、とにかくバランスが悪い。こんな話。
 深海調査艇が海底火山の爆発で浮上できなくなるという事件が起こる。それを救ったのは謎の潜水艦アルファー号。海底2万メートルに位置する科学都市「緯度ゼロ」に所属し、そこで人々は独自の科学文明を築き、繁栄を誇っていた。だが、そんな夢の世界にも争いはある。マッド・サイエンティストのマリク博士が世界制覇を狙っていたのだ。アルファー号に救われた科学者やジャーナリストは、アルファー号の艦長に協力し、マリクの野望を阻止しようとするが……。

 見るべきところから紹介すると、まずは日米合作をフルに活かしたキャストの豪華さ。その筆頭が、主人公の一人、アルファー号の艦長役、ジョゼフ・コットン。そう、あの『第三の男』のジョゼフ・コットンである。他にも日本での知名度は落ちるが、シーザー・ロメロやパトリシア・メディナ、リチャード・ジェッケルあたりが出演。特にシーザー・ロメロは大げさすぎず軽すぎず、マッド・サイエンティストの役柄を真面目にこなし、本作で最も存在感があるといっても過言ではない。
 特撮も見どころは多い。海底火山爆発シーンから、潜水艦同士のバトルに至る冒頭の二十分ぐらいは一気に引き込まれる。特にメカ好きなら潜水艦バトルは見逃せない。

 一方、ダメダメな点としては枚挙にいとまがない。
 メカの完成度に比べ、グリフォンをはじめとするモンスターの造型の貧相さには開いた口が塞がらないし、独自に発達した科学文明もほとんど思いつきレベル。世界観も説得力やリアリティはまったくない。例えば銃弾を跳ね返す免疫力を身につける風呂があるかと思えば、普通のダイヤル式電話があったりという具合。救急車が普通に赤十字なのもいかがなものか。
 ストーリーも典型的な勧善懲悪なのはいいとして、ある日本人科学者の誘拐に絡む事件がメインという、意外とスケール感が小さいのも気になる。
 上映は1969年ということで、あの『日本沈没』の四年前。うう、この差は何なんだ。

 普段、特撮なんて、という人にも勧めたい思いでいつも感想を書いているのだが、本作はさすがに無理だわ(笑)。






ポール・ブリッツさん

時代を考えると、ここまで変になる理由がちょっとわからないですねえ。内容もそこまで子供向きとも思えないし、あれで当時のファンは納得したんでしょうか(苦笑)。
【2010/09/24 01:06】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

わたしはCSで見ました。

「潜水艦同士の迫真の水中戦!」
「目もくらむような地下ユートピア!」
「襲いくる怪物たち!」
「秘密兵器、レーザー銃内蔵のパワードスーツ!」
「恐怖の脳改造手術!」
「最後に待ち受けるのは驚愕のエンディング!」

と書けばものすごく面白そうな映画なのに、どうしてああなっちゃったんでしょう(^^;)

ちなみにわたしは、幼少時に東宝の特撮映画の子供向け大百科みたいな本を読んで、「指先にレーザー銃が内蔵された特殊強化服」という記述を見、「なっ、なんてすごい科学なんだ! いつか絶対この映画を見るぞ!」と思って30年近く待ち……とほほほほ。

これだけがっかりさせられた特撮映画は、「ガメラ対ジグラ」以来でありますよ。それでもまだ「ガメラ対ジグラ」のほうが面白いかなあ……。
【2010/09/23 13:48】 URL | ポール・ブリッツ #0MyT0dLg[ 編集]

めとろんさん

パイロット版に先立つ1962年の舞台版ですね。舞台の存在は知ってましたが、まさか、そのときの犯人役が、緯度0コンビだったとは。この御夫婦ってけっこう共演多いんでしょうか。
【2010/09/20 01:09】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

ジョゼフ・コットンさんとパトリシア・メディナさんは、実生活でご夫婦で、かの舞台版『殺人処方箋』Prescription:Murderで犯人役の精神分析医ロイ・フレミングと、共犯者であるスーザン・ハドソンをそれぞれ演じてらっしゃいますね。

ですので、『緯度0大作戦』を観ることで、舞台版『殺人処方箋』を幻視することも可能…かもしれません(笑)
【2010/09/20 00:38】 URL | めとろん #nzfQoPME[ 編集]

空犬さん

さすが空犬さん、こういうものもちゃんと観ているんですねえ。
私は今回初めて見たんですが、既刊に収録されていた予告編を見たときから、こりゃ地雷かなとは薄々予想していたんですけれど、正に予想的中。この完成度の低さは、おそらく「東宝特撮映画DVDコレクション」の中でも一、二を争うのではないでしょうか(笑)。
まあ、こういうものも愛せなければ、特撮ファンは名乗れませんが(苦笑)。
【2010/09/19 23:20】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

> 普段、特撮なんて、という人にも勧めたい思いで

こちらも基本的な態度は同じで、常人のレベルを超えた愛情を持って作品に接していますが、本作をほめるのはかなり困難ですねえ(苦笑)。着ぐるみのひどさは、苦笑レベルを超えてますからねえ……。

でも、ここまでひどいと、それなりに笑えた、という印象が残ってしまって、数年後に見返したくなったりする予感もしています。
【2010/09/19 21:35】 URL | 空犬 #-[ 編集]















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