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 ジョン・ディクスン・カーの晩年の作、『悪魔のひじの家』を読む。
 イングランド南東部に、その地形から名付けられた「悪魔のひじの家」と呼ばれる邸宅があった。ニック・バークリーはその屋敷と財産を相続することになり、アメリカから帰国。旧友の歴史家ガレットとともに屋敷へ向かった。だが、二人が屋敷に着くやいなや、一発の銃声が鳴り響く……。
 歴史物を書いていたカーが、久しぶりに発表したフェル博士ものの本格。カーといえどもさすがに晩年の作品はあまり出来がよくないらしいが(いかんせん晩年の作品を読み残しているので、あくまで伝聞だが)、本作は幸せな例外ということができるだろう。
 ストーリーにしてもトリックにしても、それほど新たな試みや派手なことはやっていないが、基本に忠実というか、丁寧に書きこまれている印象を受けた。伏線などもしっかり張っているし、オカルト趣味やロマンスなど、カーならではの要素もちゃんと盛り込まれている。全盛期を期待するのは酷だが、それなりに読めたのは嬉しい誤算だった。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




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