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 週末に観たDVDの感想。相も変わらず東宝特撮映画DVDコレクションから『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』。1967年公開で、監督は前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に引き続き福田純。監督が同じだから、というわけでもなかろうが、南海の孤島を舞台にし、冒険色と適度なユーモアに彩られたファミリー路線をひた走るという点も、前作をきっちり踏襲している。

 怪獣映画を社会派ドラマ(ホラー映画でも可)として捉えた場合、昭和のゴジラシリーズは第一作にしてはや頂点を極め、あとはただただ堕落の歴史であった。中でもとりわけ堕落に貢献?したポイントがいくつかあるわけで、さしずめ本作などは堕落ポイント満載の戦犯に値する一作である(笑)。
 理由はいうまでもないが、ミニラの登場とその造型、加えてゴジラとミニラのコミカルなやりとり、さらにはゴジラの造型など枚挙にいとまがない。管理人はリアルタイムで劇場で観ているのだが、子供心にもこんなふざけた怪獣は出してくれるなと、本気で思った。怪獣はあくまで怖くかっこよく。可愛さなんぞ百害あって一利無し。そもそも可愛くないし。

 と、これまでずっと思っていたのだが、実に久々に『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』を観て、まあ、これもありかなと考え直した。
 まずほとんど忘れていたのだが、ストーリーが意外にしっかりしている。太平洋上に浮かぶ孤島、ゾルゲル島を舞台とし、そこに日本人の科学者チームがキャンプを張っている。将来の食糧難対策として、合成放射能ゾンデを利用した国際連合主体の気象コントロール実験を進めているのだ。ところが謎の妨害電波によって放射能ゾンデ打ち上げは失敗、島は異常高温に見舞われ、生息していた大カマキリが巨大化して怪獣となってしまう。
 やがてカマキラスは巨大な卵を発見し、その卵からミニラが孵化。カマキラスがミニラを攻撃しはじめたとき、今度はそこへ親ゴジラが現れる。実験を失敗させた妨害電波は、親を呼ぶミニラのテレパシーだったのだ。
 そんなこんなで博士たちは実験をあきらめようとするが、蜘蛛の怪獣クモンガまで出現して、とてもじゃないが帰還もままならない。そこで逆に実験を続けて島を急激に冷やし、怪獣たちの動きを止めようとするのだが……。

 過去の名作に比べれば、社会的な問題提議は弱いけれども、それでも前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に比べれば遙かにましだし、人間と怪獣の関係性がうまくマッチしていて、ストーリーに澱みがないのがいい。
 また、登場人物も科学者たちだけでは辛気くさくなるところを、久保明演ずるジャーナリストと前田美波里演ずる生き残りの娘を配し、アドベンチャー色を盛り上げる。
 そういえばキャストも何気に豪華なのだ。だいたい前田美波里が出ているだけでも驚きだが、男性陣も久保明に高島忠夫、平田昭彦、土屋嘉男、佐原健二といった面々で、過去の東宝特撮作品で主役を張った方々が勢ぞろいといった趣である。おまけにちょい役だがあのウルトラマンでおなじみ黒部進まで。しかも例によって土屋嘉男が絶妙のノイローゼ男を演じ、隊員同士の軋轢もトッピング。ね、悪くないでしょ。
 この映画、結局はミニラ周辺があまりにアレなんで非難囂々なんだけれど、これで怪獣パートをゴジラとミニラを外した形で進めれば、それなりに大人向けにもできたんじゃないか。なんとももったいない。

 なお、徹底的に擬人化されたミニラとゴジラの演技は確かに噴飯ものではあるのだけれど、ラストシーンだけはほろりとくる。それは認めよう。






きみやすさん

明けましておめでとうございます。
こちらこそ今年も宜しくお願いいたします。

『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』は、オススメするつもりは毛頭ありませんので、あまりご無理をなさらずに(苦笑)。

ゴアズの方はもちろんオススメです。
『マルタの鷹』と『スペード&アーチャー探偵事務所』はぜひ続けて読んでみてください。ゴアズのテクニックがより堪能できるかと思います。
私は逆に『路上の事件』、あと『32台のキャディラック』が積ん読です。追悼の意味も込めて、そろそろ読まないとなぁ。
あ、そういえば『ミステリマガジン』でも追悼特集があるらしいですよ。
【2011/01/18 23:53】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

遅くなりましたが
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

>そもそも可愛くないし。

この一行に噴き出してしまいました。

確かに(笑)

TV等でゴジラが放送されている際には
わくわくしながら観ていたのですが
そんな小学生の時でも
「なんだよ。ミニラって、かっこ悪ィなー」って思ってました。

でもsugataさんの

>ラストシーンだけはほろりとくる。それは認めよう。

この一言でちょっと観たくなりました。

あと、ジョー・ゴアズの記事にコメントしようか迷ったのですが『ハメット』と『路上の事件』ぐらいしか
読んでないので・・・

『スペード&アーチャー探偵事務所』と
久しぶりに『マルタの鷹』も読んでみたくなりました。

今年もブログを楽しみにしております。
では。


【2011/01/18 22:35】 URL | きみやす #-[ 編集]















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