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 先日の『グリーン・ホーネット』同様、レンタル落ちしたばかりの『トロン:レガシー』を観る。監督はジョセフ・コシンスキー。ナイキやアップルのTVCMなどを手がけた映像クリエイターで、これが初監督作品とのこと。

 お話は1982年『トロン』の完全な続編である。設定だけ借りたオリジナルだと思っていただけに、ストーリーが完全に続き物だったことに驚いた。だが、正直、サプライズはここまで(いや、こんなの自分が知らなかっただけで本当はサプライズにも入らないんだけれど)。『グリーン・ホーネット』も「とんだいっぱい食わせ者」だったが、いやいや本作に比べたら全然ましだった(笑)。

 まず映像が期待はずれ。さすがにCGは綺麗だが、本作のポイントはコンピュータ内の世界をどう具体的に表現するか、だろう。それが前作の『トロン』に比べても何の工夫も創造性も感じられないのである。他のSF映画やゲームで見たようなシーンばかりで、こんなもんだろうなぁという素人の予想の範疇をまったく超えていない。
 バイクのシーンもビジュアルが派手なだけで、挙動は目新しさなし。前作にあった直角カーブとか。ああいう演出上の工夫は見られない。
 飛行機の空中戦も本当にただの空中戦で、やられた飛行機が煙を出して墜落とか、どこの現実世界かと(笑)。

 ストーリーは端から期待もしていないけれど、ううむ、それでもやっぱり。
 前作の主人公ケヴィンはコンピュータ内世界「グリッド」を理想の世界にしようとするが、自分を補佐するために作ったプログラム「クルー」に裏切られ、そのままグリッドに取り残されてしまう。謎のメッセージを受け取ったケヴィンの息子サムもまたグリッドに送り込まれ、サムは再会した父ケヴィンと何とか現実世界へ戻ろうとするが……。
 まあ、ありがちすぎる話ではあるが、この程度ならまだいい。アホらしいのはクルーやグリッドで生活する住民、実は一人一人が皆プログラムなのだが、彼らがユーザーと呼ぶ者(要するに人間)に叛旗を翻すという構造である。なんでコンピュータ内世界という特殊な世界感を造りながら、ただの植民地や人種差別テーマみたいな映画にしてしまうのか。あるいは出来の悪いスターウォーズ。

 とにかく2010年に作られたとは思えないイメージの貧困さが悲しい。いったい何をどうしたらこんな続編が出来るのか、不思議でしょうがないぞ。





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