- Date: Sun 04 09 2011
- Category: 評論・エッセイ 洋泉社
- Community: テーマ "評論集" ジャンル "本・雑誌"
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『本当におもしろい警察小説ベスト100』(洋泉社MOOK)
いつのまにかジワジワと警察小説がブームになりつつあるようで、とうとう『本当におもしろい警察小説ベス100』というガイドブックまで出てしまった。
版元は洋泉社。この出版社はサブカル系に強い印象があるのだが、近年はミステリ関係でも『図説 密室ミステリの迷宮』や『宮部みゆき全小説ガイドブック』とか『京極夏彦全小説ガイドブック』とか、割とこまめにガイドブックを出している。
『図説 密室ミステリの迷宮』は実際に買って読んだことがあるが、なかなか好感の持てる作りだったし、そもそもミステリガイドブック好きの管理人としては、おそらく本邦初であろう警察小説のガイドブックを見逃す手はないってんで、さっそく購入と相成った。

ま、なんせタイトルが『本当におもしろい警察小説ベスト100』なので、警察小説のベスト本紹介以外の何ものでもない。これに人気作家のインタビューや対談、識者による座談会、警察小説の簡単な歴史などを絡めた、ごくごくオーソドックスな作りである。全体のボリュームもそこそこあるし、これから警察小説に親しもうかなという人には、まず十分な内容だろう。
個人的にはもう少し海外物の比率を高くしてもらいたいところだが、ま、これは需要を考えると仕方ないか。
ちょっと気になったのは、「警察小説」の定義。
2ページの「introduction」で書かれているが、警察の一員たる「個人」に焦点を当てているのは意外な感じがした。管理人としてはどちらかというと「組織としての動き」に焦点を当てた物語を思い描いていることもあって、この認識の違いは妙である。警察小説はいつのまにそんな読まれ方がメインになったのだ?
まあ、そもそも本書は「警察小説」の間口をかなり広くして紹介している感がある(なんせ松本清張の『点と線』、エルロイの『ブラック・ダリア』、ポーターの「ドーヴァー」シリーズも、みーんな警察小説に入れてるのだ)。狭義の警察小説で語ると、どれもこれも警察小説とはいえなくなるし、まあ、ガイドブックという性格上、それもやむを得なかったというところか。
ちなみに前述の「introduction」ではこんな前文がある。
「本書でいう警察小説とは、
著者が次の三カ条を
心のどこかにきちんと置いて書いたことが
読者として感じられる小説である。」
要するに、読む者がそう思えば、それは警察小説であると。ううむ、そんな(苦笑)。
版元は洋泉社。この出版社はサブカル系に強い印象があるのだが、近年はミステリ関係でも『図説 密室ミステリの迷宮』や『宮部みゆき全小説ガイドブック』とか『京極夏彦全小説ガイドブック』とか、割とこまめにガイドブックを出している。
『図説 密室ミステリの迷宮』は実際に買って読んだことがあるが、なかなか好感の持てる作りだったし、そもそもミステリガイドブック好きの管理人としては、おそらく本邦初であろう警察小説のガイドブックを見逃す手はないってんで、さっそく購入と相成った。

ま、なんせタイトルが『本当におもしろい警察小説ベスト100』なので、警察小説のベスト本紹介以外の何ものでもない。これに人気作家のインタビューや対談、識者による座談会、警察小説の簡単な歴史などを絡めた、ごくごくオーソドックスな作りである。全体のボリュームもそこそこあるし、これから警察小説に親しもうかなという人には、まず十分な内容だろう。
個人的にはもう少し海外物の比率を高くしてもらいたいところだが、ま、これは需要を考えると仕方ないか。
ちょっと気になったのは、「警察小説」の定義。
2ページの「introduction」で書かれているが、警察の一員たる「個人」に焦点を当てているのは意外な感じがした。管理人としてはどちらかというと「組織としての動き」に焦点を当てた物語を思い描いていることもあって、この認識の違いは妙である。警察小説はいつのまにそんな読まれ方がメインになったのだ?
まあ、そもそも本書は「警察小説」の間口をかなり広くして紹介している感がある(なんせ松本清張の『点と線』、エルロイの『ブラック・ダリア』、ポーターの「ドーヴァー」シリーズも、みーんな警察小説に入れてるのだ)。狭義の警察小説で語ると、どれもこれも警察小説とはいえなくなるし、まあ、ガイドブックという性格上、それもやむを得なかったというところか。
ちなみに前述の「introduction」ではこんな前文がある。
「本書でいう警察小説とは、
著者が次の三カ条を
心のどこかにきちんと置いて書いたことが
読者として感じられる小説である。」
要するに、読む者がそう思えば、それは警察小説であると。ううむ、そんな(苦笑)。
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吉川英梨さんについてはまったく知識ゼロなのですが、ぐぐってみると恋愛小説系の人なんですね。でもamazonを見ると、『スワン』は普通に警察ものみたいだし、どっちなんだろ?