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 「東宝特撮映画DVDコレクション」から、1960年公開、福田純監督による『電送人間』を観る。『美女と液体人間』『ガス人間第一号』などと同じ、いわゆる変身人間シリーズの一本である。

 お化け屋敷で殺人事件が発生した。死因は銃剣による刺殺。だが多くの客が周囲にいたはずなのに、犯人の姿は目撃されていなかった。捜査を続ける警察、そして新聞記者の桐岡。やがて桐岡は現場に残されたクライオトロンという物質から物体電送を研究する仁木博士の存在に行き着く。一方、警察は、同じく遺留品の認識票などを手がかりに捜査を進めるが……。

 電送人間

 特撮重視ではなく、雰囲気で見せるSF怪奇スリラーといったほうが適切な作品か。後のテレビドラマ『怪奇大作戦』を彷彿とさせるところはあるにせよ、復讐に燃える男が人格破壊の後に……という筋書きは意外に単調で、いまひとつのめり込みにくい。『ガス人間第一号』あたりと比べると、電送人間の怖さがあまりないのが原因かもしれない。

 一般人にもアピールできる点としては、主演の新聞記者、片桐を、なんと鶴田浩二が演じていること。
 当時、既に売れっ子だった鶴田浩二がよくこんな映画に出たなと言う気もするが、これが監督二作目だった親友の福田純のため、というのが定説らしい。
 とはいえ鶴田浩二はこの頃スランプに陥っていたらしく、しかも自身の扱いをめぐって相当東宝とは上手くいってなかったようで、東宝が無理矢理この映画に出させたという可能性もある。ま、真相は知らぬが、鶴田浩二はこの映画の直後ぐらいに東宝を飛び出しているので、やはりいろいろと裏ではあったのだろう。

 それに比べると電送人間は中丸忠雄が好演して、存在感はなかなかのものである。
 ただ、せっかくの評価を上げたというのに、こちらも相当この役はお気に召さなかったようで、次の『ガス人間第一号』のオファーは蹴ってしまったらしい。その結果、中丸忠雄はしばらく東宝をほされたというから、ううむ、こちらもいろいろ大変である。

 下手をするとそういう裏話ばかりが面白そうな『電送人間』。
 実際、『美女と液体人間』や『ガス人間第一号』と比べても出来はいまいちなんだけど、なんだかんだいいながら、鶴田浩二が出ている特撮映画、という一点だけでも観る価値ありと個人的には思っている。ほんとかよ(笑)。

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