FC2ブログ
ADMIN TITLE LIST
 『刑事コロンボ/攻撃命令』を観る。通算四十四作目。コンプリートボックスを買って、全作をぼちぼちと順番に観てきたのだが、いよいよこれがラス前。感慨もひとしお、と言いたいところだが、DVD化されてない新シリーズも含めて正に完全版の『コンプリートブルーレイBOX』が12月に出るので心中複雑(苦笑)。

 『攻撃命令』はこんな話。
 心理学者のエリックは、自分の妻と浮気をした友人チャーリーの殺害計画を企てる。それは自分で飼っている愛犬のドーベルマンを使った手口だった。あらかじめ病院でアリバイを作り、そこからエリックの自宅を訪ねているチャーリーに電話をかけ、電話に出たチャーリーに、あるキーワードを言うよう誘導するというもの。実はこのキーワードこそドーベルマンに発言者を襲わせる攻撃命令になっていたのだ。不幸な事故に思えた事件だが、捜査を始めたコロンボはすぐにいくつかの不審な点に着目する……。

 コロンボがラストで言うように、事件としては簡単で手がかりを残しすぎか。そもそも状況証拠からもう容疑者はチャーリー以外にあり得ない。名犯人であれば、そこは当然承知のうえで、完璧なアリバイやトリックを築き上げて容疑をはね返してもらいたいわけである。だからこそコロンボの捜査や推理、さらには逆トリックがより活きてくる。本作はそういうシリーズの根本的な部分が弱く、せっかくの犯人役ニコル・ウィリアムソンも少々もったいない(映画でホームズを演じた経験もある人なのに)
 コロンボもいつもより余裕があるというか、謎解きシーンではビリヤード台にいろいろ仕掛けている始末。ただし逆トリックならともかく、ああいう演出はコロンボに似合わない、というか、ふざけすぎの感が強くて好みではない。

 ただ、傑作と比べては確かに分が悪いもけれど、言葉を操る専門家としての心理学者、ストーリーの背景にある映画や『市民ケーン』へのオマージュなど、設定には楽しめる要素も多い。いろいろ割り引く点はあるにせよ、ミステリドラマとしては普通に楽しめる範囲なので念のため。

関連記事

テーマ:刑事コロンボ - ジャンル:映画




| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2021 探偵小説三昧, All rights reserved.