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 東宝特撮映画DVDコレクションから『ヤマトタケル』を観る。1994年公開で、監督は大河原孝夫。
 タイトルどおりヤマトタケルこと小椎命(オウスノミコト)を主人公に据え、日本神話をベースにした作品。題材そのものはやはり東宝特撮映画のひとつである1959年の『日本誕生』とほぼ同じ。

 ただし、『日本誕生』がヤマトタケルこと小椎命(オウスノミコト)の悲運ともいえる生涯を追う歴史映画として観ることができたのに対し、『ヤマトタケル』はツクヨミ変じる八岐大蛇を退治するエピソードをクライマックスに置き、完全な娯楽映画仕立てだから、その立ち位置は大きく異なる。しかも味つけはなんとスペースアドベンチャーだ(笑)。

 ヤマトタケル

 まあ、結論からいうと、ぶっちゃけかなり辛い映画である。当時の東宝は既に平成ゴジラシリーズを世に送り出しており、本作はそれと並ぶ、新たなる柱とすべく企画されたということだが、まあ、それなのになぜここまで安直な作りにしてしまったのか。

 着想自体は日本神話のSF的解釈ということなので、(使い古された手ではあるけれど)狙いとしては悪くもない。ただ、それを走らせるストーリーがあまりに貧弱。
 その昔、スサノオに封印され宇宙に流された邪神ツクヨミがなぜか地球に帰ってくるという。それを防ぐことができるのはヤマトタケルその人のみ。だがツクヨミは八岐大蛇に変身するため、まともに戦っては勝ち目がない。対抗するためには三つの光(三種の神器)を集めなければならないのだ、って安手のアニメかいな。

 『日本誕生』がそれなりに壮大なロケなどを敢行していたのに、こちらはほぼこぢんまりしたセットばかりで雄大さも感じられない。八岐大蛇も10メートルの造型もあったらしいが、悲しいかな撮り方がロングばかりで、そのダイナミックさがあまり映像に活かされているとは言いがたい。おまけに最後にはロボットが出てきて真っ向対決ですよ(笑)。
 ロボットといえば、天の白禽もほとんどロボットにしか見えないし、人間や神も目からビーム出して戦うし。いや、こういう演出も上手にやってくれれば全然OKなんだけど、特撮部分になったとたん急に幼稚な見せ方をするから困るんだよね。これが子ども向けならあんまり固いことはいいたくないんだが、ターゲットは大人だもんなぁ。

 ちなみにキャストには高島政宏に沢口靖子、宮本信子や藤岡弘、阿部寛、目黒祐樹、篠田三郎といったそれなりに豪華な面々。とはいえ当時の沢口靖子はバリバリのradish女優であり、痛々しさが先に立つ。主演の高島政宏らはましな方とはいえ、なんとも力の入らない演技に終始。唯一、藤岡弘の熱演のみ印象に残っている。

 特撮映画に対してはどんな駄作であろうとも基本的に愛をもって接している管理人だが、いや、これはダメでした(苦笑)。

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