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 『透明人間』を観る。洋画ではなく、れっきとした邦画である。
 早い話が「東宝特撮映画DVDコレクション」の一本なわけだが、このシリーズが先頃好評につき十巻追加されたのはまだ記憶に新しいところだが、本来ならこの『透明人間』が最終巻のはずだったのは皆様よくご存じのとおり。存じませんかそうですか。

 さて、本作は1954年公開。監督は小田基義が担当している。特撮ものには『ゴジラの逆襲』の監督としても知られている人だが、密かに溝正史原作の『幽霊男』(1954年、東宝)も監督していたりする。ちなみにこのときの金田一耕助は河津清三郎が演じており、この人は本作『透明人間』においても主役の南條役を務めている。

 こんな話。銀座のど真ん中、一台の乗用車が突然激しい衝撃を受けて急停車した。運転手は衝撃の度合いからてっきり人をひいたと思ったが、その場には誰もいない。不思議に思う運転手、そして何事かと集まる野次馬たち。そのときである。何もなかったはずの車の下から、一人の男が徐々に実体化していった。
 男の所持していた遺書から驚くべき事実が明らかになった。死体の男は旧日本軍の特殊部隊「透明人間特攻隊」の生き残りであり、そして生き残りはまだもう一人いるというのである。やがて「透明人間」と名乗るギャング集団による強盗事件が次々と発生する。
 一方、キャバレー黒船でピエロとして働く南條という男がいた。南條は同じアパートに住む盲目の少女に、オルゴールを買う約束をするほど親切な男だったが、人にはいえないある秘密があった……。

 透明人間

 ふむ、典型的なB級サスペンス。これは決して貶めているのではなく、むしろ褒めている。
 主人公は旧日本軍によって透明人間に改造された、いわば戦争の被害者。だがことさらそれを強調するわけではなく、あくまで透明人間というギミックを用いた娯楽映画に徹している。
 特撮そのものは当時のことなのでそれほど驚くほどのものではないが、それでも工夫はいろいろとされているようだ。特にピエロが顔のドーランを拭うと、下が透明になっている場面などは、今見てもよくできている。
 また、SF的なアプローチはあまりなく、興味の中心はあくまでストーリーに置いている印象。これにアクションと適度なお色気などで味つけし、ノワールタッチのサスペンスで引っ張ってゆく。こぢんまりとした作品ながらテンポも良いし、今でもまあまあ楽しめるレベルかと。まあ特撮映画補正がだいぶかかっているので話半分ということで(笑)。

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nyamさん

わああ、気がつきませんでした。盲目の少女は近藤圭子なんですね。といっても私は名前ぐらいしか知らないんで、それほど感慨もないんですが(^_^;)
この作品では小学生ぐらいにしか見えないんですが、童謡歌手や女優として売れるのは、もっと後のことなんでしょうか。
【2011/11/13 17:56】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

こんにちは

河津清三郎が主役を務めていた時代というのは知らないのですが、近藤圭子が出ていたというのに、びっくりしました。キングレコードとありますから、童謡歌手の近藤圭子のことでしょうね。
【2011/11/13 16:21】 URL | nyam #LkZag.iM[ 編集]

orhmさん

その感じ、わかります。制作スタッフが変にかまえることなく、できる範囲で楽しそうに作っている感じが伝わってきていいんですよね。
特撮映画は基本、娯楽なんで、この精神はけっこう大事だと思いますよ。
【2011/11/12 01:23】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

いいですね、こういうの。
B級映画のB級映画にしか出せないところが好きです。陳腐さも技術不足も味というか。不自由さの中でさあどう料理するんだ、って部分が美味しい。
そういう意味で大学生の映画サークルなんかもちょっと気になりますね。
【2011/11/11 11:06】 URL | orhm #LizEo/AA[ 編集]















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