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 東宝特撮映画DVDコレクションから、本日は『ゴジラ』を視聴する。第一作ではなく、橋本幸治監督による1984年公開の方。

 本作は不振にあえいでシリーズ打ち切りとなった『ゴジラ対メカゴジラ』以来、九年ぶりに公開されたゴジラ映画である。
 いわゆる平成ゴジラシリーズの第一作目でもあるのだが、そういっておきながら、実はこの作品そのものは昭和五十九年の公開だったりする。まあ、他にうまいまとめ方もないので仕方ないんだろうけど。
 なお、シリーズ通算では十六作目にあたる。

 ストーリーは一作目の『ゴジラ』(1954年)の続編、というか世界観を同じくしている。これはどういうことかというと、二作目から十五作目のゴジラがストーリー上まったくなかったことにされているわけである。
 つまり、ゴジラは1954年に出現して退治されたが、三十年経ったいま、再びその姿を現したということであり、そういう認識で世界観が構築されている。だから、この世界の人はキングギドラやアンギラスの存在も知らないし、ましてや怪獣ランドなんて知るよしもない。
 ま、これはリメイクが多く作られるシリーズ、例えば『バットマン』シリーズなどもそうだが、東西問わずよくあること。制作側によほどの自信があればいいのだが、これを頻繁にやられるとさすがにファン離れの元となる。実際、東宝はゴジラシリーズでこの愚を今後も繰り返すことになるが、それはまた別の話。
 
 さて、肝心のストーリーだがこんな話。
 大黒島近海で操業していた漁船「第五八幡丸」が嵐によって航行困難となり、その後消息を絶つという事件が起こる。新聞記者の牧は特ダネを求め、翌日にヨットで付近を捜索し、漂流していた第五八幡丸を発見する。だが船内で見たものはミイラ化した船員の遺体の数々であった。たった一晩で何が起こったのか。調査に夢中になる牧に、体長1mはあろうかという巨大フナムシが突然襲いかかった。ミイラ化の原因はこの巨大フナムシだったのだ。牧は危ういところを、船唯一の生存者、奥村に助けられた。
 やがて奥村の発言から驚くべき事実が明らかになった。遭難の際、大黒島が崩れ、中から巨大な怪物が姿を現したというのだ。生物学者の林田は、その巨大生物がゴジラであると確信するが、政府は国民のパニックを怖れ、報道管制を敷くことにする……。

 コ#12441;シ#12441;ラ(1984)

 ゴジラ誕生30周年を迎えるにあたって企画された本作は、ターゲットを高齢化したかつてのゴジラファンに置いた。昭和シリーズ末期の反省を踏まえてもいただろうが、作り手側も初期のゴジラを愛し、リスペクトしていたところは大きいだろう。原点に返り、大人がちゃんと楽しめるストーリーをめざし、リアル志向を打ち出したわけである。
 具体的にはゴジラを災害のひとつとして捉え、まずはその恐怖を描く。さらには政府や諸外国がどのような対応・施策を打ち出していくのか、いわゆるパニック映画の体裁をとってアプローチする。背景には米ソの冷戦があり、核の恐怖もゴジラの出自と共にしっかり反映されている。

 とまあ、このように書いているとけっこうなこと尽くめと思われるのだが、残念ながらそうはいかない。方向性は誠にけっこうながら、実はそのリアル志向がまったく徹底されていないところに問題がある。
 基本、この手の映画に野暮なツッコミを入れたくはない。それも含めて楽しめることもあるし、もともと怪獣映画なんて破天荒も甚だしい存在である。とはいえ、それを承知でリアル志向で勝負するのであれば、誰でも気づくようなレベルのネタは排除すべきであろう。
 例えば、ゴジラの帰巣本能を利用して誘導するという作戦で、なぜ鳥の鳴き声が有効なのか?
 ゴジラが暴れているのに、なぜ新幹線が走ったままなのか?
 自衛隊の兵器各種は基本、現代に合わせたものが使用されているのに、なぜ秘密兵器スーパーXだけは、あのように非現実的な形状なのか?
 ソ連の核兵器発射ボタンが、なぜ日本に停泊している貨物船辺りに搭載されているのか?

 キリがないのでここらで止めるが、素人でも普通にアレ?と思うところが多すぎるのはやはりまずかろう。
 管理人は基本的に怪獣が災害や戦争の比喩であるという解釈をとるし、怪獣映画を大人に返してもらいたいという希望があるので、本作はもともと評価したい作品である。ただ、それにしても……というのが正直なところ。
 当時、劇場でリアルタイムでも観ており、今回はン十年ぶりの視聴となったのだが、印象はさほど変わらなかった。残念。

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ポール・ブリッツさん

とにかく中途半端でしたね。スーパーXが出るまでの自衛隊とゴジラの絡みは決して悪くないんですよ。多少のアレはあるにせよ、とことん現代兵器でやりあいますから、それなりに期待がもてます。
それなのにスーパーXが出た途端、一気にファンタジーの世界ですからね(苦笑)。方針ブレまくりです。
この映画では沢口靖子の演技もよくネタになりますが、個人的にはやはりスーパーXが最大の戦犯でしょう(笑)。
【2011/12/06 00:45】 URL | sugata #8Y4d93Uo[ 編集]

この平成版ゴジラは、スーパーXが出てきて、しかもゴジラを倒せない、ということを知った時に見る気がなくなりました。

中途半端に大人向けを狙うのではなく、大人向けでも「海底軍艦」のようなドラマの末、スーパーXが伊福部マーチに乗ってカッコよく登場し、ゴジラを倒すという流れになったら、怪獣映画はまた違った歴史をたどったかもしれません。

単にわたしの好みだというだけですが。
【2011/12/05 23:00】 URL | ポール・ブリッツ #0MyT0dLg[ 編集]















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