ADMIN TITLE LIST
 ジョン・J・ラムの『天使のテディベア事件』を読む。
 元サンフランシスコ市警強盗殺人課の刑事ブラッドリー・ライオンと、その妻でテディベア作家のアシュリーが活躍する「おしどり探偵」のシリーズ第二弾。
 コージーの範疇ではあるが、主人公ブラッドリーがマッチョタイプなうえに軽口もたたき、加えて下ネタも意外に多いので、ノリとしては軽ハードボイルドっぽいイメージ。個人的には全然OKだけれど、女性ファンはひいてしまうかもなぁ(苦笑)。まあ、その辺も含めてキャラクターたちのやりとりが読みどころといえるシリーズである。

 本作は二人の地元ヴァーニニア州ではなく、お隣メリーランド州にあるボルチモアが舞台。テディベア・ショーに参加するためやってきた二人が、御当地で事件に遭遇する。
 ことの起こりは、有名なテディベア作家の夫婦喧嘩。夫婦喧嘩にしては度を超している、その場に居合わせたブラッドリーはついつい止めに入ったが、夫にはひどく逆恨みを受けてしまう。やがてその作家夫婦を盗作で告発する女性も現れ、ますます不穏な気配が。そして案の定、悲劇は降りかかり、挙げ句はブラッドリーが容疑者に……。

 天使のテテ#12441;ィヘ#12441;ア事件

 上で書いたように、読みどころはブラッドリーとアシュリーはじめとする登場人物たちのやりとり。アメリカのコメディドラマによくあるような、ジョークをジョークで返す台詞のラリーが楽しいわけで、オヤジギャグレベルが多いのはご愛嬌。
 本作では前作と舞台が変わっているので、前作でレギュラー確定かと思われた人たちがいきなり欠席しているのは残念だけれど、マルヴェイニーという偏屈女性警部補や、ブラッドリーに激しく迫る審査員リーサなど、強烈な面々が脇を固めている。

 あとはもう少しミステリとしての充実を期待したいところだが、世の中そう上手くはいかない。
 前作はミステリ部分もそれなりに力が入っていたように思うのだが、本作はずいぶんと謎も浅めだ。事件の真相についても、捜査で判明するのではなく、関係者から延々と話を聞くことで明らかになったりするのは困りもの。
 あと、主人公ブラッドリーが警察に協力するのはいいとして、指揮まで取るのはまずいよなぁ(笑)。警察にしても捜査が杜撰すぎるとか強引すぎるとかリアリティ無視しすぎ。場面場面の面白さを優先するあまり、いろいろなものを犠牲にしているのが残念だ。

 ううむ、シリーズ一作目『嘆きのテディベア事件』のレベルを維持してくれればいいのだが、これではいかんなぁ。
 とりあえず次作では日本人ヤクザが登場したり、レギュラー陣も復活するということなので、面白そうは面白そうなのだが、やはり不安はミステリ要素。次が正念場かな。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌




| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2017 探偵小説三昧, All rights reserved.
ネット小説